子育て情報『親の自己肯定感の低さは子どもに連鎖する――過干渉・教育虐待をしていませんか?』

2021年3月31日 08:26

親の自己肯定感の低さは子どもに連鎖する――過干渉・教育虐待をしていませんか?

と苦言を呈しているのは、臨床心理士の芳川玲子氏。このような親は、テストの点数や勉強の進み具合ばかり気にしているため、子どもの内面的な成長や長所に目を向けることがほとんどありません。芳川氏は、「その結果、子どもの自尊感情は育たず、子どもの心はどんどん萎縮していくのです」と言います。

これらは、自分の生き方に自信がもてず、それゆえに子どもに「成功した自分」を自己投影してしまうことが原因です。『「いい親」をやめるとラクになる』(青春出版社)著者で医学博士の古荘純一氏は、「敏感な子ほど、全部それ(大人の不安)を受け止めてしまうため、大変なストレスになる」と指摘しています。

親の自己肯定感05


子育てがつらいのは自己肯定感が低いせいかも……

古荘氏によると、自己肯定感の低い親のなかには「何でこんなにつらいのだろう」「この子がいなければ楽なのに」などのネガティブな考えから、子育てが困難になるケースもあるとのこと。子育て心理学協会代表理事の東ちひろ氏も同様に、「自己肯定感が低いまま大人になった場合、子どもの自己肯定感を高めるどころか子育てそのものがつらく感じることがある」と述べています。

自己肯定感が高い人は心に余裕があるため、子育て中のハプニングやトラブルに対して柔軟に対応できます。
また、ネガティブな情報に振り回されずに、自分のペースで子どもと向き合うことができるのも、自己肯定感の高さゆえでしょう。

子育ては決して楽しいことや幸せを感じることばかりではありません。孤独感に押しつぶされそうになったり、自己犠牲をともなったりするものです。そのような状況に置かれると、自己肯定感が低い人は「ちゃんとできないのは自分のせい」と、自責の念にかられてしまうのです。

親の自己肯定感02


自己肯定感が低いまま親になる人は意外と多い

自己肯定感を高めることができないまま大人になってしまうのはなぜでしょう。『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(KADOKAWA)の著者で家庭教育専門家の田宮由美氏は、次のことを原因として挙げています。

  • 友人や兄弟と比べられて育った
  • いつも完璧を求められていた
  • 選択肢をあまり与えてもらえなかった
  • 話をあまり聴いてもらえなかった
  • 共感してもらえなかった
つまり、子ども時代に「親に認めてもらえなかった」「親の期待に応えられなかった」という経験が根底にあり、成長後に他者と関わり合うなかでも自己肯定感を高めるきっかけをつかめなかったことが要因となっているのです。

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