指しゃぶり・爪かみ・鼻ほじりの原因と対処法。うちの子、ストレスを感じているの?
のだそう。つまり、「以前体験した刺激や快感」を求めて同じ行動を繰り返すことが、癖につながっているというわけです。
■ほかに考えられる原因
「鼻ほじり」の別の原因として考えられるものに、「鼻になんらかの病気がある」ことが挙げられます。JCHO東京新宿メディカルセンターの石井正則氏によると、「癖を直すというより、まず鼻の病気を治すことを考えるべき」とのこと。鼻の病気とは、代表的なものとして風邪や花粉症、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎などが挙げられます。これらの病気が治れば鼻をほじることもなくなるはずなので、病院に連れて行って様子を見てあげましょう。
「指しゃぶり」が癖になるのも、しゃぶって皮膚が硬くなり、たこができて、たこが乾くと痛くてなめる……という悪循環によって引き起こされるケースが考えられます。心理的な要因よりも、このように鼻のなかや指に不調を抱えていることが癖につながっていると考えると、解決への糸口が見えてくるのではないでしょうか。
「困った癖」を厳しく叱るのはNG!
子どもの癖は一過性のものが多く、ほとんどはその時期のブームに過ぎません。「癖が出やすいのは、ほかにすることがないときが多い」と前出の秋山氏が指摘するように、手持ち無沙汰になっているときや退屈しのぎで出てしまう癖については、あまり深く悩む必要はないでしょう。
しかし、「あまりにも長く続いている」「衛生面が心配」「お友だちから嫌がられそう」など、親御さん自身の心配やストレスにつながるようなら、すぐにでも改善したいですよね。
まず、すべての癖に共通した対処法として「叱らずにほめること」が挙げられます。子ども本人は、親を困らせようとしてわざとやっているわけではありません。前出の榊原氏によると、「自分は悪いことをして叱られている」と思わせないことが大事なのだそう。そのうえで、「癖をしているときに叱るのではなく、しないでいたら『えらいね。指しゃぶりしてなかったね』というようにほめてあげて」とアドバイスしています。
「我慢できたことをほめられた子どもは、我慢することに意味があると気づくようになります」と語るのは、東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり氏です。親からほめられることで、子どもの達成感は高まります。さらにその体験を経て、子どもは自信をもって「次も頑張ろう」と思えるようになるのです。叱りたい気持ちをぐっと抑えて、子どもを追いつめるような言葉をぶつけるのは避けましょう。