子どもが〇〇になる、3つの「超危険なほめ方」。 脳科学者がすすめる「正しいほめ方」とは?
「お兄ちゃんはかけっこで1位になったことないのに、あなたはすごいね!」
『一人で育つ子になる テキトー母さんのすすめ』(日本実業出版社)の著者である立石美津子氏は、「親がわが子をほめるとき、心のなかで『まわりと比べてうちの子はできる』と思うのは自然な感情なのでかまわない。けれども、それを口に出して子どもに伝えてはならない」と述べています。
他者と比べて上か下かばかりを気にするようになると、「もろく崩れやすい見せかけの自己肯定感」だけが育ってしまい、思うような結果が出ないときに「自分は価値がないダメ人間だ」と落ち込むようになります。加えて、幼い頃からまわりと比較する言葉をかけ続けられることで、常に周囲の人の目を気にしたり、まわりの人すべてがライバルに見えたりと、対人関係に支障をきたすことにもなりかねません。
■結果だけをほめる
「100点とったのね、えらい!」
「優秀賞に選ばれるなんてすごい」
物事の結果だけに注目し、結果がよければほめる。ということは、逆に「結果が悪ければ評価しない」ということ。臨床心理士の田中茂樹氏は、「『それはいいね』は『それじゃないのはよくないよ』というのとある意味同じ」と指摘し、「100点とってえらいね」は「100点とれなければえらくないよ」と言っているのと同じことだと苦言を呈しています。
親は子どもの「できる・できない」に目を向けがちですが、繊細で大人の顔色をうかがう傾向のある子ほど、ほめられることが目的化して、自分が本当にやりたいことを見失ってしまうのだそう。
さらに、結果に対する評価が自分の価値だと信じてしまうと、努力することを怠ったり過剰によい結果だけを求めたりと、ズルをしてでもほめられたい「ほめられ依存症」にもつながるので気をつけましょう。
■「できて当たり前のこと」をほめる
「宿題やったの?えらいね!」
「遅刻しないなんてすごい!」
たいしたことでなくても、子どもは「すごいでしょ!」とアピールしてきます。そのたびに「すごいすごい!」と大げさにほめていませんか?子育てサロンを運営する若松亜紀氏は、このようになんでもかんでもただほめちぎる大ざっぱなほめ方を「どんぶりほめ」と呼び、注意を促しています。
どんぶりほめによって、子どもは必要以上に「自分はすごいんだ!」と勘違いをし、もっとほめてほめてと「ほめ」に対して過剰反応するようになります。