子どもが〇〇になる、3つの「超危険なほめ方」。 脳科学者がすすめる「正しいほめ方」とは?
その結果、「ほめてくれる人の前では頑張るけれど、ほめられないならやらない」という「評価を欲しがる子」になってしまうのです。
脳科学者の篠原菊紀氏も、「『勉強したら必ずほめてもらえる』が当たり前になると、ほめることの効果は薄れる」と指摘します。さらには、ほめられそうだと思ったのにほめられなかった場合に、怒りに転化することもあるそう。これは、大人ならば給料日に給料が入金されていなかったようなものだから当然なのです。
「ほめる」という行為はとても簡単で、たとえ心がこもっていなくても適当に言葉にすることができます。ですが、その代償は思った以上に深刻であり、子どもの心に根深い問題を植えつけてしまうかもしれないのです。
いますぐ実践!わが子が伸びる「正しいほめ方」とは?
では反対に、子どもによい影響を及ぼす「正しいほめ方」とはどのようなものなのでしょうか。ポイントは3つです。
■まわりと比べるのではなく「過去のわが子」と比べてほめる
児童精神科医の故・佐々木正美氏は、著書のなかで「人より頑張ったことを評価するのではなく、親が気づいた『よい変化』を伝える」ことをすすめています。子どもは「自分の変化」に気づいてもらえると喜びます。なぜなら、大好きなお母さん(お父さん)が、自分を見てくれて関心をもってくれることが何よりも嬉しいから。
ですから、変化を見つけてあげましょう。たとえば、縄跳びならば「昨日よりも3回も多く跳べたね」や、ピアノ練習なら「先週間違えたところが上手に弾けるようになったね」など、過去の姿や状態と比較して成長した部分をほめてあげるのです。
また、佐々木氏は「学習や運動など目に見えてわかりやすいものに対してほめるだけでなく、『友だちに頼りにされているね!』『小さい子のお世話が上手だね』など、その子の人柄や性格にも注目してあげて」ともアドバイス。それにより子どもの自己肯定感が上がり、人に流されない自分らしさを手に入れられるのです。
■結果だけでなくプロセスを評価する
発達心理学、保育学、児童学を専門とする東京都市大学人間科学部教授の井戸ゆかり氏は、「結果だけに目を向けるのではなく、たとえできなくてもそのプロセスを認める言葉がけをすれば、自己肯定感が高まる」と述べています。
よい結果であっても悪い結果であっても、その過程や努力を親から認められることで、「次も頑張ろう」