人見知りは才能の証? 科学が明かす内向的な子どもの可能性
子どもの人見知りや内向的な性格を心配する親御さんは多いのではないでしょうか。「もっとハキハキ話してほしい!」「もっとお友だちをたくさんつくってほしい!」と親は願うもの。
でも、そんな内気さが、「隠れた才能」の証だとしたら?じつは、人見知りの子や内向的な子たちの内には、豊かな可能性が秘められているのです。今回は、内向的な子どもの才能を伸ばす “戦略” を紹介します。
「内気な性格はよくない」という先入観を捨てましょう!
子どもの人見知りや内気な性格を過度に心配する必要はありません。小児科専門医で東京薬科大学客員教授の山中岳氏によると、「人見知り」は個々の子どもによって大きく異なります。通常は生後8〜12か月頃に始まり、2歳頃には落ち着くことが多いのですが、早い子では生後半年から、遅い子では2歳以降に現れることもあります。
また、その表れ方も子どもによってさまざまです。
見知らぬ人に対して激しく泣く子もいれば、誰に対しても平気な子もいます。これらの違いは、子どもの「個性」や「環境」に大きく影響されます。重要なのは、人見知りの程度や時期に正解はなく、それぞれの子どもの発達過程の一部だということを理解することです。
ちなみに、人見知りは、赤ちゃんが「見慣れた人」と「そうでない人」を区別できるようになった証拠で、赤ちゃんの「認知能力」と「感受性」の発達を示していると山中氏は言います。つまり、人見知りは、重要な「成長の段階」なのです。*1
とはいえ、このままずっと人見知りが続いたらどうしよう……?と悩んでいる親御さんもいるでしょう。しかし脳科学者の西剛志氏は、「内気な子どもほど内的なエネルギーに満ちている」、そういう子どもは「目標を見つけたときには、それに向かって力強く進んでいける」と、人見知りっ子の可能性について太鼓判を押します。「『内気なことは良くないこと』という先入観は今すぐに捨てるべき」という親への忠言も心に刺さりますね!*2
高学歴親ほど要注意!?子どもに干渉が過ぎてしまう……
ただし、親の行動が子どもの性格を内向的にしてしまうこともあるので、注意が必要です。
特に、高学歴の親御さんは要注意。高学歴の親は「『子どもに失敗はさせたくない!』という強い思いから」過干渉になりやすいと言うのは、『高学歴親という病』著者で発達脳科学者の成田奈緒子氏です。高学歴の親は自分が優秀であるがゆえに、つい子どものやることに干渉しがち。