産婦人科医監修|妊娠初期の貧血の原因は?妊娠初期の貧血の症状と対処法、予防法
妊娠初期は貧血が起こりやすい
貧血はほとんどの妊婦さんに共通して起こってしまう症状ですが、元から貧血気味の場合は妊娠をきっかけに悪化して鉄欠乏性貧血になってしまうこともあります。妊娠初期は胎児も小さいため必要な鉄分量も少ないですが、妊娠が判明したら初回の妊婦健診でお医者さんに相談してみましょう。
妊娠初期の貧血の原因
赤ちゃんへ栄養を与えるため
お腹の赤ちゃんは母体の血液から栄養をもらって育ちます。そのため母体の鉄分が吸収されてしまい、貧血を起こす原因となってしまいます。
血液が変化するため
妊娠すると赤ちゃんに必要な栄養を送り届けるために妊婦さんの血液量は増加します。このとき赤血球の増加をはるかに上回る量で血漿(けっしょう)の量が増加しています。
血漿とは、血液から赤血球と白血球、そして血小板の有形成分を除いた液体成分のことをいい、通常は血液の5割以上を占めています。血漿が多くなることは血が薄まった状態になることでもあります。
妊娠初期の貧血の症状
鉄欠乏性貧血
症状としては動悸、息切れ、頭痛、めまいなどがあります。また、朝起きられない、やる気が出ない、倦怠感があるなど身体がだるく感じます。
脳貧血
立ちくらみや目の前が真っ暗になってチカチカする症状は脳貧血の可能性もあります。脳貧血は厳密には医学用語ではありませんが、自律神経が乱れて血圧のコントロールがうまくいかずに脳に十分血液が送られていない状態をいいます。
ホルモンバランスが変化する妊婦さんは脳貧血を起こしやすく、立ちくらみやまぶたの奥がチカチカすることも。名前に「貧血」と入っていますが、血液が薄まるものとは性質が異なります。
妊娠初期の貧血の赤ちゃんへの影響
血液は身体をつくる重要な要素のため、血液が少ないと赤ちゃんに必要な栄養を十分送ることができません。赤ちゃんが形成される妊娠初期に重大な貧血になると未熟児や奇形を起こす可能性もあります。
母親が摂取した栄養は赤ちゃんに優先的に送られるので、赤ちゃん自身が貧血になることはあまりありませんが、栄養そのものが少ないのでは十分に成長できなくなる恐れがあります。
妊娠初期の貧血の対処法
薬剤
血液検査で貧血と診断されると、その症状によって医師から鉄剤を処方されることもあります。
食事療法
ひとつの食材に偏るのではなく、できるだけ栄養バランスを意識しましょう。