乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防するために家庭でできること【パパ小児科医コラムvol.13】
6.親と同じ部屋で、添い寝を避けて寝る
親と添い寝をしているときの発生率が高いことから、添い寝はSIDSのリスクを上昇させるという調査結果があります。枕や布団など大人の寝具が赤ちゃんの窒息の原因になったり、大人の身体が赤ちゃんかぶさってしまったりといったリスクが考えられます。
添い寝を避け、赤ちゃんは親と同じ部屋のベビーベッドに寝かせることをおすすめします。同じ部屋に寝ていれば、たとえば赤ちゃんがベッド柵に足をとられるなどしんどそうな場合に早く気づいてあげることができます。布団に寝かせる場合も、できるだけ同じ布団で添い寝をするのは避け、赤ちゃんの布団はわけたほうが良いでしょう。
赤ちゃんが添い乳をしないと寝ない場合もあるかもしれませんが、添い乳をせずに寝られるようになることが、SIDSの予防の点からもより良い睡眠の点からも理想です。
7.寝る場所に何も置かない
赤ちゃんの寝る場所には、極力何も置かないようにしましょう。ぬいぐるみやおもちゃだけでなく、赤ちゃんの鼻や口にかかってしまうことがあるため、枕・毛布・タオルケットも置かないほうが安全です。
赤ちゃんは、周囲に何も置かない、ガランとしたマットレスに寝かせると良いでしょう。おくるみなど身体をくるむものは使用せず、冷暖房器具とスリーパーで体温調節してください。
乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因は解明されていない
SIDSの直接的な原因は不明なため、これらのリスクの仕組みについてはまだはっきりはしていません。タオルが赤ちゃんの顔にかかったり、やわらかいマットに顔をうずめてしまったりなどで、呼吸に負担がかかる状況は影響があるのではないかと個人的には思います。
うつぶせ寝と乳幼児突然死症候群の関係
ひとつ注意が必要な点は、うつぶせ寝はSIDSのリスクを高めはしますが、直接の原因ではないということです。うつぶせ寝をしていてもSIDSが起こらないことのほうが多く、「うつぶせ寝をさせていたからSIDSが起こったのだ」とは言えません。
リスクは減らしたほうが良いですが、住環境や家庭の事情などで現実的にはすべての対策ができないこともあります。無理のない範囲で、できる限りの対策を家庭でしていきましょう。
少しでも不安を減らすためにSIDSの対策をしよう
私には2人の子どもがいます。SIDSを起こしやすい年齢は過ぎ、少し安堵してる今日このごろです。