【産婦人科医監修】妊娠中でもコロナワクチンが打てる?妊娠中の接種の見解をわかりやすく紹介!
ワクチン接種対象から除外しない
感染が拡大している現状や妊婦さんの重症化リスクを踏まえ、⽇本産婦⼈科感染症学会および⽇本産科婦⼈科学会の提言では、ワクチン接種対象から妊婦さんを除外しないとしています。
ただし、接種には医師による十分な説明と妊婦さんの同意があること、接種後は体調に変化がないか30分間その場で待機し、経過観察を行うことが求められています。
器官形成期は接種を避ける
妊娠12週までは胎児の器官形成期にあたります。提言によると、この時期はワクチンの接種を避けることが望ましいとされています。
母児管理ができる施設で行うこと
接種による体調変化が起こった場合、母児を適切に管理できるよう、妊婦さんは産婦⼈科施設などにて接種を受けることや、接種前と接種後にエコー検査などで胎児の心拍を確認することが提言されています。
医療従事者や持病がある妊婦さんは接種を考慮
医療に従事する妊婦さんや肥満や糖尿病などの基礎疾患を合併している妊婦さんは、通常よりも感染や重症化のリスクが高くなります。そのため、ワクチンの効果がリスクを上回るかどうかを考慮して接種を行うか検討する必要があります。
パートナーや家族は家庭内感染を防ぐ
新型コロナウイルス感染症は、感染経路のひとつに家庭内感染があげられます。
新型コロナウイルスに限ったことではありませんが、パートナーや家族はワクチンを含めた感染症対策を進め、妊婦さんへの感染を予防することが大切です。
妊娠を希望する人は妊娠前に接種を
mRNAワクチンは生ワクチンではないため、接種後に長期間の避妊の必要はありません。とはいえ、現在接種が進められているワクチンは2回接種となる見込みで、1回目と2回目は3週間の間隔をあけることが推奨されています。
お腹の赤ちゃんの器官形成期の接種を避けるためにも、妊娠を希望する人は妊娠前に接種を受けることが望ましいとされています。
専門家によって妊婦の接種は除外とされることも
妊婦さんのワクチン接種に対しては十分な知見が得られていないことから、WHOをはじめ各国で見解が分かれているようです。また、厚生労働省が発行する「新型コロナウイルスワクチンの接種順位等について」(※2)には、有効性・安全性ともに、小児・妊婦・高齢者のデータが少なく不明点が多いとされています。そのため、妊婦さんに関しては接種を推奨する対象から除外する方向との考えもあるようです。