ピンピンコロリもつらい? 家族を突然亡くした人の体験談3つ
母が急に亡くなったとのことでした。急いで病院にかけつけましたが、死に目には間に合いませんでした。
母は朝ふつうにお弁当を作って父を送り出し、昼にスーパーに買い出しに行き、その先で急に倒れたということです。大動脈瘤破裂という病気で、俳優の阿藤快さんが亡くなったのと同じものです。
あまりにも唐突に訪れた死。話したいこと、謝りたいこともあったのに何も伝えられなかった。連れて行ってあげたい場所もたくさんあったし、子育ての話もたくさんしたかった。心の準備もお別れも何もできませんでした 。
今でも後悔しています』(40代女性/主婦)
元気なうちは、いつでも会える、また今度話せるという思いから、やりとりを疎かにしてしまいがち。
しかし突然の死でこんなふうに引き裂かれてしまうと、それは大きな悔いとなってしまいます。
もしも闘病期間を経ての別れだったのであれば、そのあいだに気持ちを整理したり、じっくり話したりすることもできるでしょう。思い出づくりにいろいろな場所をめぐることだってできるかもしれません。
しかし「ピンピンコロリ」だと、どうしてもそれができないのです。そう考えると少し寂しい気もしますね。
●(3)尻拭いが大変だった
インタビューを重ねていくと、こんな体験談も聞けました。酒好きのおじい様を突然死で亡くした男性からのお話です。
『いつまでも起きてこないので部屋を見に行ったら、布団の中で既に亡くなっていました。前の晩もいつものように飲んで大騒ぎしてたのに。
ビックリしたのは、家にたくさん警察が来たこと。発見したときの状況、家族が何をしていたかなど、何人もの警官にかわるがわる何度も同じことを聞かれ、まるで取り調べを受けているようでイライラしました。こっちはショックで動転していて、うまく話せるわけもないでしょう。
解剖するって持って行かれたけど、結局死因も分からずじまい。しかも、あとの処理がすごく大変でした。
内容がわからない督促状や借金明細 、いくつも出てくる謎のクレジットカード。
何のお金なのか、誰から借りたのか全くわからない。頼みの綱は爺ちゃんが使ってたスマホなのですが、ロックがかかっていて中を見ることができず最後まで詳細不明。わからないことだらけで途方に暮れ、家族みんなクタクタになりました』(30代男性/自営業)
突然死の場合、身辺整理をしないまま亡くなってしまうことが非常に多いです。