子育て情報『“働く”ってナニ? 仕事に疑問を感じ始めた新社会人へ贈る言葉』

“働く”ってナニ? 仕事に疑問を感じ始めた新社会人へ贈る言葉

おそらくこの傾向はこれからもずっと続くだろう。私たちはもはや、ただ自分の専門領域に閉じこもることによってしか、学問上で何かを成し遂げることはできない。隣接領域の縄張りを侵すようなことは諦めなければならない』

・出典『職業としての学問』マックス・ウェーバー(著)

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近代社会の構造を解明した100年前の天才的な社会学者が、自分が職業として選んだ学問という分野でさえ自分が直接的に携わっている分野の研究をただひたすら黙々と“天職”として追求することしかできないのだと言っているわけです。

●そうはいっても入った会社が“ブラック企業”だった場合は我慢せずに辞めること

さて、かつてのわが国であれば5月の新社会人のみなさんに贈る言葉はここまででよかったのかもしれませんが、今の時代はここで話を終えるわけにはまいりません。

みなさんが入社した会社が運悪く“ブラック企業”だった場合について触れておかなければならないからです。

たとえ誰もが名前を聞いたことがあるような有名企業でも、株式を上場しているような大企業であったとしても、従業員が苦痛と感じるような異常な長時間労働が行われていたり、コネ入社組には甘いのにその他の一般の新入社員に対してはセクハラやパワハラが日常的に行われているような会社に入ってしまったのだということが分かった場合は、我慢せずにすみやかに退職する方向で努力してください 。

「天職と感じられるようになるまで頑張ろう」などと悠長なことを言っていてはなりません。

あなたのお母様もお父様も、あなたを過労死させるために育ててきたわけではないのです。
人権を無視した過度な支配に対しては、“逃げる”という方法で闘ってください。

こうして考えると、筆者が新入社員だった35年前と比べて今の新社会人のみなさんは、より複雑で厳しい環境の中で日々生きていることが分かります。

それでも「自由業で生きるなら年中無休の覚悟を」「職業は天職である」の2点については時代を超えた真実であると、筆者は先人たちの知恵と自分自身の経験から断言できます。

ぜひ、反すうしてみていただければと思います。

【参考文献】
・『職業としての学問』マックス・ウェーバー(著)
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
●モデル/ゆみ
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