共通の趣味は不要? 定年退職後の夫が妻と良好な関係を続けるためのコツ
こんにちは。コラムニストの鈴木かつよしです。
筆者と妻は間もなく夫婦生活30年になります。
自分がいわゆるサラリーマンではないので、“定年退職”というものはありませんが、体力的な理由からしても今後は仕事が“量”より“質”重視になっていくと考えられ、 リタイア男性同様、自宅にいる時間は増えてくることが予想されます。
そんな夫が妻と良好な関係を続けていくうえでの鉄則とは何でしょうか?共通の趣味を持つことでしょうか?
それも良いことですが、筆者は“妻の楽しみを理解すること”こそが第一であると思っています。実例を見ながら一緒に考えましょう。
●妻には妻の育んできた世界がある
30代の後半から50代の始めごろまで小さな個人企業を経営していた筆者は、収入面での浮き沈みがとても激しかったため、その谷間を埋めるために下の子が小学校に上がってからは妻が公的機関の職員となって働いてくれました。
妻の仕事は江戸時代の文化や動植物に関する知識、造園技術や都市社会学への造詣が必要とされるため、妻は自らの楽しみのためにもそういった分野の勉強に積極的に励み、おかげで多くの知的な趣味を持つようになりました。
能や狂言、浮世絵の鑑賞をはじめとして野鳥や植物の観察、市営農園での野菜づくりなど、妻は筆者があずかり知らない趣味の世界をたくさん持っています。
そんな妻に、野球やラグビー観戦、国内外のフォークやロック音楽の鑑賞が趣味の筆者が「俺と一緒の趣味を楽しもうよ」などとしつこく迫ったら、彼女はうんざりしてしまう ことでしょう。
妻には妻の育んできた世界があるのです。
夫婦がたまたま共通の趣味に恵まれて一緒に楽しむことができればそれはそれで素晴らしいことではありますが、多くの場合、そううまくはいきません。
そこで夫が肝に銘じておかなくてはならないことは、亭主風を吹かせて「共通の趣味を持とうぜ」などと主張することではなく、妻が妻の人生の中で培ってきた楽しみを“理解する”ということだろうと思います。
●リタイア後に夫婦関係が「よくなった」と答えた男性には共通点がある
朝日新聞、2017年4月9日付朝刊の『Reライフ』面の記事の中で、リタイア後に夫婦関係が「よくなった」と答えた男性には共通点があるように見えることを、具体的なインタビュー事例をあげて示唆しています。ざっと引用いたしますと、
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・時間ができ、余裕が生まれたのかよく話すようになった(神奈川県/65~69歳)