共通の趣味は不要? 定年退職後の夫が妻と良好な関係を続けるためのコツ
・夫婦の会話が増え、お互いの考えを理解できるようになった(神奈川県/65~69歳)
・接する時間が増えて、お互いをより理解できるようになった(青森県/65~69歳)
・定年前より話をするようになった(東京都/60~64歳)
・仕事最優先で生活していたが、定年後は妻にも配慮が出来るようになった(京都府/70~74歳)
**********
このようなかんじです。
これを見ると、リタイア後に夫婦関係がよくなった男性には、“時間ができたことで妻と落ち着いて話すようになり、妻が大切にしているものや妻の楽しみなどが理解できるようになった” という共通点があることがわかるかと思います。
●旅行はどんな夫婦にも共通の趣味になるので無理して共通の趣味を持とうとしないでいい
また同じ記事の中では、やはり“リタイア後に夫婦関係がよくなった”とする男性の体験談として、“旅行の効用”をあげたものも紹介しています。
**********
・(リタイア後は)一緒に旅行したり、手伝いではない家事をしたりできる(三重県/65~69歳)
・自由な時間が出来た現在は、日常の夫婦間の会話のみならずお互いの趣味の自慢話が出来たり、旅行や車での近距離ドライブなどにお互いの貴重な時間を使えるようになれてとても関係が良くなった(千葉県/75~79歳)
**********
考えてみれば、肩肘張って「これからは夫婦共通の趣味を持つぞ」などと意気込まなくたって、旅行であればどんな夫婦にとっても共通の趣味になります よね。
なぜなら、旅行はまず計画の段階で夫婦による話し合いや資料集めといった共同作業が必要となる。
次に、列車やバス、船、飛行機といった乗り物に乗ることが、夫婦に日常では味わいにくい新鮮な風景と会話を提供してくれる。
そして、住み慣れた家から遠く離れた旅館やホテル、民宿といった施設に一緒に宿泊することは、夫婦にこれまで歩いて来た道程を振り返る機会と「住み慣れた家へまた帰りたい。一緒に帰ろう」という気持ちを生じさせてくれるからです。
旅行の効用を最大限に活用すれば、「無理をしてでも夫婦共通の趣味を持たなければ」といった精神的な焦りから解放されます。その分の気持ちの余裕を「妻の楽しみを理解する」「妻のライフスタイルを尊重する」という方向にもっていけばいいわけです。
●“卒婚”のように大げさに考えなくても、妻の人格を尊重するだけでいい
フリーライターの杉山由美子さんは、その著書である『卒婚のススメ 人生を変える新しい夫婦のカタチ』を通して、夫婦が結婚という形式は維持しながらもお互いに干渉しないという新しい夫婦のあり方を“卒婚”という造語を使って提唱されました。