夢はユーチューバー? 男子中高生が将来“ものづくり人”になりたいワケ
はさすがに高校生男子では第10位(6.8%)でした。しかし、高校生男子の場合でも堂々の第3位は「ゲームクリエイター」(12.5%)が入っており、男の子は中学生も高校生も将来の仕事として“ものづくり”を志向していることがはっきりと示されています。
つまり、男の子たちは自己実現するための道筋を“ものづくり”に託している のです。
水野和夫先生ふうに言うなら、「他人から見れば羨ましがられるような職業に就いたところで貴族のような投資家・権力者たちの前では結局は無力な大人たち」をさんざん見てきた彼らは、自分がつくり、そして自分を超えて行く自分の創造物に、夢を託しているのではないでしょうか。
●男の子を育てるコツは「きみのつくったものが未来を変える」という希望を持たせること
NHKスペシャルの人気シリーズ『人工知能』では、人間の政治家は自分と考え方の近い人や自分の縁故者たちの利益のためばかりに行動してしまう傾向があるためAI政治家を開発して多くの人にとって公正で民主的な税金の使い道を考えてもらおうとする世界を代表する人工知能研究者たちからなるプロジェクトチームの話題を取り上げていました(NHK総合、2017年6月25日放送)。
これなどは、少年たちが“ものづくり”に自分たちの未来についての一縷の希望を託す心情と共通する動きだろうと思います。
一方で同番組では、将棋界の最高位に君臨する佐藤天彦名人をAI棋士の『ポナンザ』が人間には到底思いつかないような手を連発していとも簡単に負かしてしまう様子をも紹介していました。
ポナンザを開発した山本一成さんによると、『たしかにポナンザをつくりプログラミングしているのは自分だが、ポナンザがなぜ人間には思いつかないような手を考えつくのかは自分にも説明できません』と言います。
これもまた“ものづくり人”を志向する中高生男子たちの心情と共通しています。
彼らは、自分がつくったものやシステムたちがやがて自分の手を借りずに機械学習し自分を超えていくことをも“生きがい”として楽しんでいるのです。
現実に屈服してしまった大人たちを尻目に、自分たちがつくったものの“凄さ”をわが子が成長して行くのと同じように誇りに思いながら見守っているのです。
こうして考えてくると、わたしたち“男の子を持つパパ・ママ”は、「ものづくり人になろう」としている男の子に対して「しょうもない動画ばっかり作っていないで勉強したらどうだ」