パートの時給がUP!? “同一労働同一賃金”がもたらすメリットデメリット
「同一労働同一賃金 」という言葉をご存知ですか?
これは、同じ仕事内容であれば、正社員・非正規社員・性別・年齢等に関わらず、同じ額の給料を支払うべきだという考えです。
現行の安倍内閣が議論している政策で、2016年12月には実現に向けたガイドラインも作られました。
同一労働同一賃金が導入されると、私たちの生活はどのように変わるのでしょうか。メリット・デメリットとともに、生活に与える影響を考えていきましょう。
●同一労働同一賃金とは 〜とあるファミリーレストランの例〜
「同一労働同一賃金」とはどのようなことなのでしょうか。今回はファミリーレストランを例にして、説明していきます。
とあるファミレスチェーン店「P」には現在、以下のメンバーがメインとして働いています。
・店長(正社員・Pへ配置されて2年半)
・チーフ(正社員・Pへ配置されて1年)
・Aさん(50歳パート/Pで勤続10年/時給1,000円)
このチェーンでは、本社から各店舗へ店長とチーフを1名ずつ派遣しています。
店長・チーフともに全国の店舗をローテーションで回るため、1つの店舗にいるのは長くても3年。
したがって、店の日常業務に最も詳しいのは勤続10年のAさんです。特にチーフは昨年この店舗に来たばかりなので、今でもAさんが手取り足取り仕事を教えている状況。
チーフとAさんの仕事内容は同じです。しかし、正社員とパートタイムという立場の違いから、給料にはだいぶ差があります。
時給換算すると、チーフはおよそ1,800円程度。いっぽう、Aさんは時給1,000円で働いています。
Aさんにとっては、この給料差が時々ストレスのようです。
「私がパートだからって、不公平じゃない?」とグチをこぼすこともあります。
……どこにでもありそうな、ファミリーレストランの状況ですね。さて、ここに「同一労働同一賃金」が適用されるとどうなるでしょうか?
厳密なチェックが入ることにはなりますが、Aさんとチーフの仕事内容が同じであると判断されると、チーフとAさんの給料差がなくなります。
Aさんはパートのままですが、正社員であるチーフと同額の給料をもらうことができるようになるのです。●正社員への影響
同一労働同一賃金は、私たちにどのような影響をもたらすのでしょうか。もうすこし詳しく見ていきましょう。
まずは、正社員側への影響です。