どう接するのが正解? 子どもが悩む“スクールカースト”の実情と対処法
下位だと勝手に決められてしまっている子たちは、特に言いづらいはずです。
「親に心配をかけたくない 」などの気持ちが働いているせいでしょう。
●巻き込まれているときの対処法
親が、子どもにスクールカーストの上位に入るように仕向けるような言動をすることがあるという話を聞いたことがあります。
これは、子どもの居場所をなくし、親から自分を全否定されたと捉えてしまう可能性がありますから、親から仕向けるようなことはやめなくてはいけません。
スクールカーストをなくそうとしても、大勢が関わっているため難しいです。
ですから、子どもの意識を“みんな平等である ”などの方向へと導いたり、子どもを“精神的に一人にしないこと ”が大切になります。
対処法としては、
・子どもの話をよく聞いてコミュニケーションをたくさん取ること
・子どもの個性を大切にしてあげること
・人間は一人ひとり違っているからそれでいいんだと外見を含めた個性を認めてあげる
・子どもを否定するようなことを言わない
・子どもがプラスなことをしたらほめる(言葉で伝える)
“プラスなこと”というのは、どのようなことにも当てはまります。ちょっとしたお手伝い、頑張り、勉強などです。
少しでも良いところはほめて、手伝ってくれたら「ありがとう」と言い、ねぎらいの言葉をかけるのです。これだけで、自分の存在価値が上がり、親との信頼関係は強くなるものです。
子育てハッピーアドバイスシリーズを書かれている明橋大二先生(医師・スクールカウンセラー)は、次のようなことを言っています。
『「この子はこの子でいいんだ」という、子どもの個性を第一にすることが重要です』
子どもをよく見て、気持ちを大切にしてあげることで「この子はこの子でいいんだ」という気持ちを持つことができるのではないかと思っています。
●おわりに
日本のスクールカーストは、アメリカなどの外国と違ってそれほど明確で差別的ではありません。しかし、年齢が高くなるにつれて厳しいと感じてしまう子どもは多いでしょう。
大切なのは、親子の信頼関係をしっかり持って、子どもの個性を認めてあげることです。愛情を持って接してあげましょう。
【参考文献】
・『10代からの子育てハッピーアドバイス』明橋大二・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
●モデル/KUMI(陸人くん、花音ちゃん)
「学校に行きたくない!」と言われたら…? 親にしてほしい最初の一歩【知っておきたい「不登校」のこと Vol.1】