結婚前の同棲は普通!? 同棲によってわかることとは?
こんにちは。臨床心理士の今井千鶴子です。
皆さんは、結婚前の“同棲”に対してどんなイメージがありますか?
今回はいくつかの調査結果と私の経験をもとに同棲について考えます。
●結婚前に同棲している割合とその理由
第一生命経済研究所の調査(2006)によると、結婚前に同棲したことがある人は、12.5%でした。
また、同棲した理由として最も多くあげられたのは、「好きだからとにかく一緒にいたいと思った(41.7%)」というものでした。
また、2番目に多かった回答は「なんとなく、成り行きで(13.5%)」というものです。
この結果からは、同棲をする時は“情熱”だけでなく“タイミング”も1つのポイント といえそうです。
実際に私の場合も、夫が住んでいたアパートが大学から近かったことや、いつも一緒にいたかったことから、大学学部生にも関わらず、ついつい同棲を始めてしまったという経由があります。
ただ、お互いに社会人を経験してからの同棲生活でしたので、結婚を意識したものでもありました。
今思うと、結婚してからの生活がスムーズなのは、同棲の時にお互いを理解できたところが大きかったと思います。
●同棲によってわかったこと
明治生命生活福祉研究所(2009)では、「結婚前に同居してわかったこと」について調査しています。
それによると、「相手の生活スタイル」がわかったとする回答が最も多いものでした。
また、相手の性格や価値観、我慢しなければならないポイントがわかったとする意見も多くみられました。
確かに、一緒に住むことによって、互いに都合のよい時のみ会っていただけでは気づきにくい相手の性格や価値観がみえやすくなると思います。
離婚をしたい理由としてよくあげられるのは“性格の不一致”だといわれますが、明治生命生活福祉研究所(2009)の調査結果をふまえると、同棲することでそれらの問題を回避することが期待できそうです。
さらに、第一生命経済研究所の調査(2006)では、「同棲経験が結婚への自信につながった」とする回答が多くみられました。
また、同棲することで「家族に近い親愛の気持ちが生まれた」「結婚への迷いがなくなった」とする回答もありました。同棲することによって、相手の生活スタイルや性格・価値観等を十分に知り得た ことが、結婚への自信につながったものと思われます。
●同棲によって結婚のストレスが軽減される可能性
古典的なストレス研究では、結婚のように喜ばしいはずのライフイベントもストレスをもたらすことがわかっています(たとえ喜ばしいはずの出来事であっても、新しい環境に慣れるまではパワーがいりますし、ストレスがかかるということです)。