しつけが難しいのは当たり前!しつけに悩むママに知っておいてほしいこと
こんにちは。子育て支援を専門にする臨床心理士の今井千鶴子です。
教育相談では、多くのママから“しつけ”に関するご相談を受けます。
厚生労働省における平成16年度全国家庭児童調査でも、小学校低学年以下の子育てにおける不安や悩みの中で、「しつけに関すること」が最も多くあげられています。
このように、私の臨床心理士としての経験だけでなく、研究結果からも多くの方がしつけに悩んでいることがわかります。
そこで今回は、“しつけが自分の手に負えない”と感じた時の対処法について考えていきます。
●しつけに悩むのは普通のこと
先ほどご紹介したように、しつけに悩むママはとても多いです。
一見するとしつけに関する悩みがなさそうなママも、「うまくいかないな…」「どうしたらいいんだろう」と感じているケースもあります。
ですから、“しつけが自分の手に負えない”と感じた時には、『しつけに悩むのは自分だけでなく、一般的なことだ』と考えてみましょう。
真面目なママほど、「自分はダメな母親だ」「自分の育て方が悪いから」とすべてを自分のせいにして、落ち込んでしまいがちです。
でも、よくよく考えてみると、これだけ多くのママが悩んでいるわけですから、子どもをしつけるのは思った以上に難しいということ です。
ですから、“自分のせい”だと必要以上に落ち込む必要はありません。
●しつけに完璧を求めすぎない
“しつけが自分の手に負えない”と感じているママの中には“完璧を求める傾向 ”が強いことがあります。
たとえば、9割できていても残りの1割ができていないと、“まったくできていない”ととらえ、不安や怒りを感じていることもあります。
河野(2011)によると、このような完璧主義は、育児不安を抱えるママの特徴の1つともされています。
もちろん完璧を目指すことはすばらしいのですが…、ママが100%満足のいくしつけをすることは神業に近いほど難しいと私は思います。
ですから、“完全主義”の傾向が強いママは、全てを完璧にやろうとせず”これだけは守ってほしい”という優先順位を立てましょう 。
また、完全主義なママほど、ハードな目標を立ててしまいがちです。
これだと、お子さんもだんだん苦しくなってしまいます。
心理学的にいうと、“少しがんばったらできた”くらいの目標がよいとされています。
ですから、周りの基準に合わせた目標よりも、お子さんの発達に合わせた目標を意識していきましょう。