自分の都合を押し付け、それに沿わない子どもを怒りでねじ伏せようとした自分の身勝手さ。
私はすぐさま娘を掻き抱き、必死に謝りました。
娘の言った言葉について、一つずつ「あなたのせいではない」と伝え、
もう二度と子どもたちにこんな言動をするまい と心の中で誓いました。
そしてそう思う一方で、
心の奥底から
「今はそう思っても、でもまたきっと怒りに任せて同じようなことをしてしまうに違いない」
「私は子育てをしてはいけない人間だったのに…」
「こんな母親と3人きりの生活で、子どもたちの素直な心がへし曲がってしまう…」
という焦りの気持ちがどんどん押し寄せ、
「これではいけない。でもどうしたらいいのかわからない!!」と心が悲鳴をあげていました。
そんな私を救ってくれたのは、母の何気ない提案だった
娘を抱いたまま身動きが取れなくなっていたところ、スマホに母から着信が入りました。
私は思わず、藁をもすがる想いで母にその日あったことをぶちまけました。
私はてっきり母から子どもたちにとった言動を咎められるかと思ったのですが、
母は、ずば抜けた明るい声で
と軽い感じで「手抜き」を提案。
一方私は、夫のいない平日に出前をとるなんて考えてみたこともなく、
ましてや熱があるわけでもないのにお風呂に入らないなんて許されないことだと思っていました。
そのことを母に伝えると、また明るい弾んだ声で「一度でいいから言われたとおりやってみ!!」と。
「母の提案」を試してみたところ…
子どもたちの反応に、
「ああ…、こうすれば良かったんだ。こうしても良いんだ…」と、ガチガチに固まった心が溶けていく のを感じました。
私はその日まで、病気以外で子どもをお風呂に入れなかったことは一度もなく、
外泊する時以外で掃除機がけをしなかった日も一日もありませんでした。
決して私が几帳面でキレイ好きだからではありません。
むしろズボラで、整理や掃除が苦手で、甘えればどこまでも甘えてしまう性質な自分。
ただただ子どもを清潔な環境で健康に育てなければいけないという責任 に耐えようとするあまり、
日々の育児や家事をルーティン化し、そこから反れないよう自分を追い詰めていただけでした。
それが、母の何気ない提案により、一番優先すべきものが何なのか を体験的に実感することができました。