僕だけお弁当? 「食物アレルギー」を持つ子どもを守る方法
ただ、そうは言っても給食は食物アレルギーの負荷テストを行う場ではありません。
医師の監督・指導の下に周到な準備をし、『エピペン』も即座に使用できるよう用意した上で行う負荷テストとは違うのですから、陽性物質は除去するしかないのです。
中学生になったことを機会に、みんなとは違う“弁当持参生活”をすることによって、「自分は自分。恥ずかしくなんかない」といった“強さ”を培っていくこと が貴重な経験になるはずです。
期待半分ですが、われわれ保護者自身がそう自分に言い聞かせるべきではないでしょうか。
●みんなとは違う自分を楽しめることも、大人への第一歩です
ご相談者様のお子様やわが家の息子がもうすぐ終えることになる小学校での6年間というものは、人が社会生活を営んでいく上でこのうえなく貴重な学習をした時間 であったはずです。
クラスのまとまりを維持するために自分を抑制することも必要ですし、一方で、“他人とは違う自分”という“個人”の尊さについても学んできたことでしょう。
社会生活とは、そのバランスをいかにはかっていくかという行為なのだろうと思います。
『アレルギー専門の小児科医の立場で言うのであれば、お弁当を持参することには“賛成”です。おそるおそる食べる給食よりも、保護者に作ってもらったお弁当で思いっきり栄養を取ることの方がいいのは自明なことです』(30代男性/前出・小児科医師)
医師もこうおっしゃっているように、お子さんは“みんなとは違う弁当持参生活を楽しむ強さ”を養うことによって、また一歩、人として成長してくれるものと信じようではありませんか。
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)