子育て情報『80歳の母が大暴れ!? 「せん妄」と「認知症」を見分けるポイント5つ』

2016年3月29日 18:00

80歳の母が大暴れ!? 「せん妄」と「認知症」を見分けるポイント5つ

●(4)治療可能である

認知症の経過が緩徐進行性であるのに対し、せん妄の経過は通常は可逆的である。

●(5)意識が障害されている

認知症においては意識は概ね正常であるのに対し、せん妄においては意識が障害されている

●せん妄は70歳以上の入院患者では15~50%の人に発生します

このように医師の説明を聴くと、ご相談者様がそう考えられたようにお母様は認知症ではなくせん妄を発生していたことが疑われます。

おそらくご相談者様がお見舞いに行かれた直後の回診の際に医師もそれに気づき、しかるべき対処をされたであろうと推察されます。

このようにせん妄の場合は認知症と違って原因となっている異常の処置を迅速にすることによって治癒する例が多い のです。

一時的に発生する状態であるため、わが国における総患者数を特定することは難しいようですが、一説によると70歳以上の入院患者では15~50%の人にせん妄が発生すると言われています。

入院中の高齢者にせん妄が生じると、入院中に合併症が起きる割合が高まるようです。前出の医師によれば『せん妄が無い患者さんと比べると最大で10倍高くなる』とのことなので、看過できない問題です。

そのため、高齢の入院患者の家族は、病院のスタッフにせん妄が生じるのを予防するための協力を求めることができるようになっています。


例えば、定期的に声かけをしてもらい、特に高齢の患者さんの孫やひ孫の写真を病院スタッフが見ながら、「お孫さんのお名前は何ていうの?」とか、「いま何歳になったの?」のような会話をすることもせん妄の再発予防に大きな効果がある ようです。

また、患者さんが食事を取れず点滴で栄養を採っているような状態であっても、柔らかいゼリーやプリンなどを食べさせたり牛乳を飲ませたりしてもらって、栄養補給と同時に「食べる楽しみ」を感じられるようにしてもらうことも、せん妄の発生を防ぐのに有効なようです。

『じっと固定されて身動きのできない状態や、おいしいものを食べることができない状態が長引くことは、ストレスに起因するせん妄発症の大きなファクターとなる』と、前出の医師も断言していました。

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ご相談者様、このようにせん妄は認知症と違い、治療が可能な疾患です。

たまたまお見舞いに行かれた日にお母様がせん妄を発症していたからといって、ご相談者様が落ち込んでしまってはいけません。

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