甘えが原因!? うつ病だと主張する人の7割が適応障害であるワケ
こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。
村松太郎さんという刑事事件の精神鑑定なども行っている精神科医の先生が、『「うつ」は病気か甘えか』という本を出版されて話題になったことがあります。
もちろん村松先生自身は、「うつなんて甘えだ。甘えてないで出勤しろ!」と言うような根性論者でも何でもなく、「うつは病気である」と断言している、まっとうなお医者様です。
しかし、世の中には“うつは甘えだ”派の医師が存在することも事実 で、筆者自身も以前、経営していた会社の業績不振に落ち込んで通院していたメンタルクリニックの先生から、「うつに甘えていないで仕事をしなさい!」と怒鳴られた経験を持っています。
そんな中、「うつは甘えも何も、日本人がうつだと思い込んでいる病気のほとんどは『適応障害 』という病気であり、“うつは甘えか論争”自体がナンセンス」という見解を打ち出している医師がいます。
●環境を変えることで改善する場合は、厳密に言うと『うつ病』ではない
千葉県の市川市で心療内科・内科・小児科・在宅ケアの『仁和医院』を開業されている医師の竹川敦先生は、医院のホームページの中で、わが国では「うつ」を主訴で来院する患者の70%以上が実は『うつ病』ではなく、『適応障害』といってその人の性格そのものに起因するものなので、抗うつ剤の服用では本質的な改善は期待できない 、としています。
竹川先生によれば、本当の狭義でのうつ病というのはノルアドレナリンやセロトニンといった脳内の神経伝達物質の活性低下による病気であるため、抗うつ薬がある程度まで特効薬として奏功するもののようなのです。
また、本当のうつ病では環境を変えたからといって症状が改善するということはなく、うつの期間が3か月から長くても1年続いた後、必ず元の状態に戻る というもののようです。
それでは「うつは甘え」と言われてしまうことの一因になっているようにも思える、“うつと適応障害との見間違い”について、もう少し考えてみましょう。
●うつ病ではないのに性格的な甘えが原因でうつ状態になっている適応障害患者が多い
「うつは甘え」という言い方は間違いで、正しくは「適応障害は性格的な甘えにも原因がある 」ということ。このことについて、前述の竹川敦医師は医院のホームページの中で次のように説明しています。