他人の失敗を喜べ!? 怒りや妬みを溜め込まずに健康でいるためのコツ
ただし、代替仕返しをしてスカッとするにしても、そこには最低限のルールはあると思います。
それは、失敗する(不幸になる)者が、普通の庶民よりもずっと強い力や権力を持っている者であること。
あるいは、ずるい方法やアンフェアな手段を用いて自分だけが金儲けや出世を手に入れるといったことを繰り返しているような者 であることです。
●“仕返し”よりは“見返し”の方が建設的だが、一番いいのは“寛容”であること
『正しい恨みの晴らし方』では、“仕返し”よりは“見返し”の方が建設的であると述べています。
たとえば、サラリーマンとしては要領が悪いために会社を追われるような形で退職し、独立開業するしか食べていく道がなかった人が、自分で起こした会社を抜群のアイデアと行動力で大きくし、世間から「偉大な経営者」と呼ばれて古巣の会社を見返すといったようなケースがこれに当たります。
しかし筆者は、“見返し”よりも良い“恨みつらみを溜め込まずに心身ともに健康でいつづける方法”は、“寛容”になること ではないかと思うのです。
自分の年齢になるとだんだん分かってくるのですが、人生に勝ち負けなんてありません。
恨むなら“一所懸命になり切れなかった自分”を恨めばいいのであって、他者にはすべからく寛容であればいいのです。
『鬱も高血圧も呼び込まず心身ともに健康でいつづけるために一番良い心の持ち方は、“許す”ことです』
心と体の問題の専門家であるM先生もこうおっしゃっています。肝に銘じたいものですね。
【参考文献】
・『正しい恨みの晴らし方』中野信子、澤田匡人(共著)
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)