子どもからのSOS! 思春期に“過換気症候群”を起こす原因と対処法
ただし、親が側にいるときに限定して、窒息などが起こらないように見てあげることが必要です。
発作は突然起こるため親や側にいる人が大変驚きます。そうやって慌てふためいているうちに、けいれんや意識消失を起こしてしまいます。
ですから、一番大切なのは、親や側にいる人が慌てないことです。
親が側にいるときに起こったら、
(1)紙袋を広げて子どもの口に当て呼吸をさせます。
(2)その間、背中をゆっくりさすって「大丈夫だよ 」と声をかけ安心させましょう。
(3)発作が収まったら横にして休ませます。
これで収まることもありますが、発作が強い場合、何度も起こす場合、発作時間が長い場合は、心療内科・メンタルヘルス科への受診が必要です。
ストレスが心と体に影響して出る症状ですので、原因となっているストレス元を何とかしないことには収まるものではありません。
発作が続けば続くほど、不安感は強くなる一方です。決して責めるようなことは言わないで、安心させることを第一に考えていただきたいと思います。
●おわりに
思春期は心の成長の時期。そんなときに「いい子でいなきゃいけない」と頑張らせたり、ストレスを発散できない生活環境に子どもをおいたりすることは良くありません。
「家は安心できて息がつける場所」と子どもが思えるように、環境を整えてあげることが大切です。
過呼吸発作を過剰反応のように言ったり、責めたりしないでください。
本人は、「このまま死んでしまうのでは?」というほど苦しい思いをしているのです。
親が温かく見守り、安心させてあげて欲しいと思います。
【参考文献】
・『史上最強カラー図解臨床心理学のすべてがわかる本』松原達哉・編著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)