不妊治療の最先端!? 卵子を凍結保存させる“卵活”の知識とメリット
“卵活”という言葉を耳にしたことはありますか?
妊娠を望む女性たちにとっては“妊活”と並んで身近なワードですが、そうでない人にはなじみのないものでしょう。実はこれ、卵子を凍結保存し、将来の妊娠に備えることを指す言葉なのです。
マイナス196度という超低温で卵子を冷凍し、妊娠したい時期に解凍するというオドロキの最先端技術。今回は卵子凍結保存の費用や、行っている人の実態について解説していきましょう。
●“受精卵”or“未受精卵”……卵子凍結保存の種類
卵子凍結保存には、大きく分けて次の2種類があります。
●受精卵の凍結保存
体外受精や顕微授精で受精・発育した卵子を凍結保存するもの。不妊治療の一環として行われています。
採卵後すぐに移植するよりも、別の周期に移植したほうが着床率が高い場合などに用いられる方法です。
●未受精卵の凍結保存
排卵した卵子を、未受精のまま凍結保存するものです。妊娠を望む時期に解凍し、体外受精させた後に子宮に戻して着床・発育させていきます。
●不妊治療目的だけじゃない! ライフスタイル設計のために行われることも
前述の通り、受精卵の凍結保存は不妊治療の一環として行われるもの です。既にパートナーがいて、妊娠を希望しているにも関わらず、なかなか赤ちゃんを授かれない女性を対象にしています。
一方で、未受精卵の凍結保存はがん患者などを対象にしたもの でした。がんの治療で卵子に影響が出ることが予測されるときに、治療前に採卵して保存しておくのです。
しかし、今は妊娠を望んでいないけれども、将来に備えて凍結保存しておきたいという女性が最近は増えてきています。これが冒頭に紹介した“卵活” と呼ばれるものです。
たとえ現状パートナーがいなくても、若いうちに卵子を採って保存しておけば、いつか相手ができて妊娠を希望したときに元気な卵子を使って妊娠・出産にのぞむことができるというのです。
●保険外のため費用は高額になる
費用は病院によって異なりますが、保険適用外のため高額になります。検査から凍結まではおよそ70万円〜100万円程度 となることが多いようです。
まず、実際に採卵するまでの検査費用、排卵誘発のための費用がかかります。ここをクリアしてやっと採卵となりますが、採る卵子の数によって費用は変動します。妊娠の成功率を上げるには、ひとつでも多く採卵・保存する必要があります。