成人年齢が18歳に? “未成年”を卒業するのは何歳がベストか
親子だからといって無条件に子どもを可愛がるわけではないという現実が身もふたもなく露呈しています。団塊世代の親は、まだ無条件にわが子を可愛がる傾向がありました。しかし臨床の現場では、親がひどい目にあうくらいなら子どもは捨ててもいいくらいの認識が一般化してきている印象です』(2016年1月19日付『朝日新聞』より)
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言われてみると、街なかで自分の子どもに対してあまりにもひどいんじゃないかと思えるような暴言・暴力をふるっている親は、昔よりずっと増えているような印象を受けます。
行政はサポートしてくれない、親は子どもを無条件で愛してくれない、このような傾向の中で国が納税者を増やしたいがゆえに今よりも早い段階から子どもを法的に大人扱いするのは逆効果ではないかと筆者も思います。
優先されるべきは“成人年齢の引き下げ”ではなく、“成人への移行期における就労サポート ”のシステムでしょう。
●結論として、現代のわが国では何歳で成人がリーズナブルなのか?
それでは、今のわが国では本当のところ何歳で成人とするのが「社会的・精神的な自立」という意味においてリーズナブルなのでしょうか。
キャリアカウンセラーの小島貴子さんとの共著である『子育てが終わらない 「30歳成人」時代の家族論』の中で斎藤環先生は、次のように端的に結論づけています。
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『27歳が社会的自立の節目である。
順調に就労が進んだ場合に何とか自立の見込みがつく時期が、今のわが国では27歳という年齢である』
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いかがでしょうか。
もちろん、成人年齢を18歳に引き下げようとしている国には国の事情があるのでしょうし、今の国会の党派別議席構成をみれば、18歳成人法案は現在13歳の子どもたちから現実のものとなるでしょう。
それはそれとして、子どもをもつママやパパとしては、斎藤医師のように「行政がやろうとしていることが子どもたちにとって本当にいいことなのか」と自分の頭で考える姿勢だけは常に持っていなければいけないと思います。
筆者はどちらかというと、「今のままでいいのではないか」という意見ですが、みなさんも一度「わが子が“未成年”を卒業するのは何歳がベストか 」を考えてみるのはどうでしょう。国の方針と同じように、「18歳成人がいい」