妻が代理で交渉デキる? 会社に未払いの残業代を請求する方法
アディーレ法律事務所弁護士の岩沙です。
いろいろと社会問題になっているにも関わらず、残業代を支払わない会社は未だに多いですね。
残業代を請求するためには、原則として、法定労働時間を超えた労働時間を労働者側が証明する必要があります。
そこで、証拠として重要なのが、タイムカード です。タイムカードは出退勤時刻が記載されているので、タイムカード記載の出勤時刻から退勤時刻までは、特段の事情がない限り、労働をしていたと推認できます。
したがって、労働時間を証明するためにはタイムカードを集めておく必要があります。
ただ、いわゆるブラック企業で行われていると言われていますが、タイムカードを退勤前に打刻させられてしまったり、上司が勝手に打刻をしてしまったりなんてこともあるかもしれません。
そもそも、労務時間の管理を怠っている企業であれば、タイムカードなど労働時間を把握する制度がないなんてこともあると思います。
そういった場合、一切残業代を請求することができなくなってしまうかというとそういうわけではありません。
職場PCのログイン履歴、シフト表、日記、メールの送信履歴、業務日報などで証明できる場合があります。
ただ、これらの場合、タイムカードに比べて客観性が低かったり、労働時間を正確に反映していないものもあるでしょう。したがって、これらの場合には、複数の証拠を組み合わせるなど工夫が必要 です。
●「みなし残業」「年棒制」「管理職」はもらえないって本当?
●みなし残業(固定残業)
適法なみなし残業の場合には、すでに一定の残業代が支払われているということになります。
しかし、実際の労働時間がみなし残業時間よりも多いという場合、使用者はみなし残業分を超えた部分 を支払わなければなりません。
●年俸制
年俸制であっても、すでに残業代が支払われているような特別の事情があれば別ですが、法定労働時間を越えて労働したというのであれば、残業代を請求できる可能性があります。
●管理職
法律で、管理監督者に当たる場合、残業代をもらうことができなくなるとされています。
この管理監督者に当たるかは、「支店長」「課長」や「係長」などの役職名で決まるわけではありません。労働時間に裁量が認められているか、業務に裁量が認められているか、その立場に見合うだけの賃金をもらっているかなどを総合考慮して決まります。