節税対策に有効? タンス預金をするメリットとリスクの回避方法
こんにちは、金融コンシェルジュの齋藤惠です。
昔の人はタンス預金 でお金を保管していた人も多くいたようですが、近年では銀行に預けるのが主流になっています。
しかし、ここ数年は再びタンス預金をする人が出はじめているようなのです。 一体、タンス預金をする人はどんなメリットを感じて自宅にお金を保管しているのでしょうか?
●どうして今、タンス預金なのか?
「タンス預金がよい」という意見がネットなどで囁かれ始めたきっかけは、『マイナンバー制度』の導入からです。
『マイナンバー制度』は国民一人ひとりの個人情報に共通の番号をつけることによって、社会保障や税制面の利便性と平等性を高めようという目的で導入されました。
「行政手続きがスムーズに進む」「災害時、個人情報の特定に役立つ」などマイナンバーには利点があります。
しかし一方で近い将来、銀行口座などにもマイナンバー制度が加わることで、国に自分の預金や財産状況が筒抜けになってしまう 可能性が出てきてしまいました。これにはプライバシーの観点から否定的な意見も聞かれます。
そして、「国に自分の財産を知られてしまうくらいなら、銀行には預けずに自宅でお金を保管しておこう」という考えの人がタンス預金を選択するようになったのです。
●タンス預金のメリットとは?
プライバシーの保護以外にも、タンス預金にはメリットがあると言われています。
それは、相続税・贈与税対策 です。個人の財産が詳細に把握できれば、国はより正確な額の税金を徴収することができます。
人によっては申告制の現在よりも多く税金を納めることになる場合も……。その抜け道としてタンス預金を利用しようというわけです。
さすがに自宅の現金まで国は把握できませんからね。
特に多額のお金を次世代に残したいと考える人にとって相続税や贈与税は気になる問題ですから、少しでも税金として国に吸い上げられてしまう額を減らしたいというのが本音でしょう。
しかし、長期的に見てタンス預金が得策かは断定できません。
タンス預金では金利が付きませんし、災害時や盗難時に失ったお金は戻って来ない のです。
財産を守るという観点から、税金のことだけを考えて他のリスクを軽視することは危険であると筆者は考えます。●上手なタンス預金の仕方とは?
しかしながら低金利時代の昨今で、利息のほとんど付かない銀行に預けて、かついずれは税金までかかるというのはちょっぴり損した気分になるものです。