子どもの出来=親の評価 ではない。できる子と比べて焦ったりモヤモヤしがちな親の「心を軽くする」方法
サカイクには、保護者の方からたくさんの相談メールが届きます。その中で多いのが「つい、自分の子どもとよその子を比べてしまう」というもの。比べても意味がないのはわかっているのに、「あの子に比べてうちの子は......」と考えて、暗い気持ちになってしまうことがあるそうです。
そこで今回は一般社団法人フィールド・フロー代表で、メンタルコーチの柘植陽一郎さんと、しつもんメンタルトレーニングでおなじみ、藤代圭一さんに話をうかがいました。
「心が軽くなるヒント」満載の対談を、2回に分けてお届けします。
(取材・文:鈴木智之)
無意識のうちに自分の子と他の子を比べ、イライラ、モヤモヤしていませんか?
■子どもの出来=親の評価ではない
藤代:自分の子どもを他の子と比べて「できないなぁ」と感じてイライラしたり、不安になってしまう。これは親なら誰しも、経験があると思います。勉強もサッカーも競争のシステムがあるので、無意識のうちに比べてしまうのはよくあることです。
子どもの出来が、親としての自分の評価につながると感じる人も多いようです。でも、本来はお子さんの出来と自分の評価はイコールではありませんよね。
柘植:そう思います。アドラー心理学に「課題の分離」という考え方があるのですが、目の前の問題が、自分の問題なのか、それとも子どもの問題なのかを整理するといいと思います。そこが整理ができていないので、モヤモヤして、焦ってしまうんです。
藤代:多くの保護者は子どもにかける時間が増え、気になることも増えているかもしれません。けれど、ある程度は子どもに決断する機会を与えることも必要です。そして、「うちの子はサッカーがそれほど上手じゃないけど、この子なりに素晴らしい人生を歩むはずだから、心配する必要はないわ」という考え方ができれば、気持ちも楽になるのではないでしょうか。
柘植:お子さんがあまりサッカーが上手ではないことに対して、自分が恥ずかしいのか、本当に子どものことを思って考えているのかを分けて、考えてみるのもいいかもしれません。一度、整理をするだけでも、受け取り方が違ってくると思うんです。お子さんの問題と自分の問題を一緒にしてしまうと、がんじがらめになってしまいます。
藤代:その場合、保護者の方に「自分の問題なのか、子どもの問題なのか、どちらだと思いますか?」と、直接的な質問をするのですか?
柘植:はい。