アップが長すぎて試合前にへとへとな子どもたち。アップの適正時間を教えて
保護者は、指導者の考えになかなか触れられません。疑問が出てくると、ネガティブなほうに考えていってしまいがちです。私は指導者の方々に「保護者とコミュニケーションをとってくださいね」といつも話します。
円陣を組んで子どもに話すのを、保護者に聞いてもらう。その試合や練習、もっといえばその時間を何の目的をもって過ごすのかを一緒に聞いてもらうわけです。そこを理解してもらえば「ああ、コーチは練習の一環でやっているんだな」などと納得してもらえます。
■大事なのは時間の長さではない
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
ご相談の文章を読む限りでは、そんなに深刻な問題ではなさそうです。
子どもたちが楽しく、熱中して取り組んでいるのであればまったく問題はありません。時間の長さを計るよりも、子どもたちの表情や動きを見てあげてください。
例えば、しごきのような、理不尽な練習内容であれば、逆に子どもたちから苦情が出るはずです。
決してそういったものでないのならば、親御さんたちもぜひ見守ってあげてください。
池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。
12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。