2020年6月19日 12:00
足元の技術はあるけど勝負のタイミングで判断できない。判断力をつけるためには何をすればいい?
ドリブルで進んでいくと、今度は自分のほうに寄って来た。さあ、どうする?どのタイミングでパスをする?そのうちに真横にいた違うサイドの味方のほうがゴールに近くなった。さあ、どうする?
このようにして、子どもの想像力を引き出してあげます。そんなことを毎回すれば、間違いなく判断できる子が育ちます。
スペインのビジャレアルCF育成部でコーチをしている佐伯夕利子さんが、子どものボール回しの様子をフェイスブックに投稿しています。ぜひ一度チェックしてみてください。見事にパスをつないでいます。
佐伯さんの解説に、そこに登場する5歳の子どもたちは「選ばれし子ではない」とあります。
つまり、セレクションをするなどして、上手な子を集めているわけではないということです。
では、どうしたら、ビジャレアルの子どもたちのように、認知して、判断できる力が養われるのか。それは、丁寧にコーチたちが子どもと向かい合っているからです。
「いま、なぜそこにパスをしたの?」
「いま、どうしてドリブルしたの?」
そんなふうにいつも聞き返します。このように対話することを「フィードバックする」と言いますが、いまなぜこうしたのかを3歳の子にも聞き返す。脳と身体がつながるようにトレーニング組み立てられています。
試合前のロッカールームでも、コーチは5歳の子に質問をします。
「どんな試合がしたい?」
「今までやってきた練習は、どういうものだったかな?」
「今日は何を試したい?」
これが日本だったら、どうでしょか?「絶対勝つぞ」とか「こうやるぞ」とコーチが率先して話していないでしょうか。
アドバイスの内容も、コーチたちのきめつけばかりではないでしょうか。
■子どもは目の前に「問い」があるからこそ考え始める
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
子どもは、目の前に「問い」があるからこそ、考え始めます。そして、大きくなったらあらゆることを自問自答できるようになります。
もし、みなさんが本当に子どもたちに自分で考える力や判断する力を養ってほしいと思っているのなら、子どもへの「問い」を増やしてください。私は今、大阪の地域総合型スポーツクラブ「岸和田FC」で、アドバイザーを務めています。「指導者のレベルを上げたいので、来てください」と言われて始めました。
先日、佐伯さんの映像を見せたら「こんな指導に変えたい」