子どものスポーツの成績は育児の成果? スポーツ少年の保護者を悩ます見えないプレッシャーの正体
と。でも、それは親である自分に恥をかかせないように、子どもを頑張らせることにつながり、親のエゴのために子に成功してほしいと願うことにつながります。
子どもが試合でミスをした後にベンチに下げられて悔しい気持ちになる方もいるかと思います。私もそういう経験があります。また、わが子が良いパフォーマンスをすればチームメイトの保護者に対して鼻が高い気分になったり。親の中に人より優位に立ちたいという気持ちがあり、子どものスポーツを通じて達成しようとしているのです。
あるいは親である自分の満たされない何かを子どものスポーツを通じて得ようとする、仕事や家族関係のストレスを抱えていて子どものスポーツに依存していることも。
子どもにイライラしているのではなく、自分自身にイライラしているのです。
親として得意な気分になりたい、承認されたい感情は消えることはないかもしれませんが、わが子にスポーツを楽しんでもらいたいなら、時には親である自分自身の心の中を覗いてみることも必要かもしれません。
子どもが安心して毎日を生きるには、親やそれに代わる大人の関わりが不可欠です。しかし、「親が頑張らないと良い選手に育たない」と頑なになると、その弊害もあります。だからこそのポスターの文言なのです。
■レギュラー・補欠。出場時間の問題
これは日本だけでなく、子どものスポーツの盛んな国では、同じような問題を抱えていると思います。米国でも同じです。日本の保護者は内に抱え込んで悩む人が多いかもしれませんが、米国人は自己主張する人も多いです。
米国の学校運動部では、保護者と指導者の話し合いのルールを定めています。これは、日本でも、応用できるのではないか、と私は考えています。
米国の中学や高校の運動部でよく使われている話し合いのルールは、
・話し合いに適切な時間を決めておく。
・保護者は、出場時間、ポジション、戦術、他の子どもについての質問はできない。
・出場時間をもっと得たいと思うときは子ども本人がコーチに質問をする。
・保護者はどのようにしたら子どものパフォーマンスが向上するのか、コーチに聞くことはできる。などです。
コーチはシーズンや年度はじめに活動理念と方針を示し、保護者、子どもである選手と話し合いのルールを決めておきます。
事前に決めてあることによって、保護者の側は「こんなことを聞いてもよいのか、でも、言っておきたい」