子育て情報『「プロになりたい」からなれるわけじゃない。マインツのコーチに聞く、夢見る子どもに現実を教えるタイミングとは?』

「プロになりたい」からなれるわけじゃない。マインツのコーチに聞く、夢見る子どもに現実を教えるタイミングとは?

でも選手の成長には個人差があります。U‐19、あるいはU‐23まで見てみることも大切です。そこですごい成長を遂げる選手だっているし、その間に将来のことと向き合う時間だってできるはずではないですか。

■楽しさの中で成長することが大事、早い段階でプレッシャーをかけないで

中野:早いうちに結果を求めすぎる傾向は日本でも強いと思います。ではU‐13、U‐15の子どもたちに対してはどうお考えでしょうか?

ペッシュ:大事なのは結果や順位表だけを見ないことです。育成アカデミーのチームだと二桁得点差で勝つことも普通にあるのですが、でもだからよかった、悪かったではなく、どんなプレーを目的として取り組み、それがどう実践できたのかをしっかりとらえる大切さを伝えなければいけません。

特にまだU‐13より若い年代の子どもたちには、あまりに早い段階でプレッシャーをかけるのはよろしくないです。サッカーの楽しさの中で成長をすることがやっぱりすごく大事ですね。

楽しいというのは何してもいいよというのではなく、個々の選手と向き合いながら、アプローチすることは欠かせません。

例えば一人の選手が2~3点をとったとして、すべてを右足で決めていたら「得点は素晴らしい。でも君には左足もあることを忘れてはだめだよ」と伝えることも必要でしょう。例えチーム内でベストな選手だったとしても、どこに長所があり、どこに弱点があるかは、しっかりと把握していかなければならないし、それを改善していくためにそうしたフィードバックはとても重要です。

育成は長期的な視点で取り組むことが本当に大切なんです。今日行ったことが明日できなきゃだめだなんて追い込まないでください。

いかがでしたでしょうか。子どものうちは多くの子が「プロになりたい」と口にします。
しかし、望めば誰もがプロになれるわけではありません。

いつかは夢から覚め、現実と向き合うことになります。プロサッカー選手と言う夢が叶わなくとも、幸せな人生を歩むためにそれまでに受けてきた教育(学歴の高さのことではありません)や得てきた情報が大事だというペッシュさん。保護者の皆さんは、お子さんが選手以外の道へ踏み出すときに、情報収集や他の選択肢の提示などのサポートができるのではないでしょうか。

また、昨今の日本では幼少期からその時点のレベル、周囲の子との差を見て「向いている」

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