子育て情報『「上下関係ではなく、一人の人間として」対話を大事にする流経柏・榎本監督が始めた選手と今まで以上に向き合う新たな取り組み』

「上下関係ではなく、一人の人間として」対話を大事にする流経柏・榎本監督が始めた選手と今まで以上に向き合う新たな取り組み

6人のスタッフが持ち回りで1日3人ずつ全部員との面談を実施するのですが、与えられた時間は3分間。

選手が話しやすいよう「緊急事態宣言の延長について」などテーマは選手自ら決めて話すのがルールです。

「言葉はフランクで良いんです。尊敬語とか謙譲語でなくて良いから、考えたことを話して欲しい。どんな内容でも失礼だとは思いません。考えたことを話さない方が、人間関係を良くしようとしていないんだから失礼にあたると伝えています。僕が怒っていたことに対して、選手が意見してくれると"そんなことを考えていたんだ"と考え方を改め直すかもしれない」

また、今年は今まで以上にミーティングの回数を増やすつもりです。理由について、榎本監督はこう話します。


「チームや社会の一員になるのは、組織にどう貢献できるかだと思うんです。サッカーでいえば相手選手をマークしたり、危ない場面で身体を張って防ぐことが勝利への貢献になり、チームの一員として認められる。そうした貢献が分かりやすいのがミーティングで、議題に対して何も意見しない選手は貢献していないことになるんです。何もしない選手に手を差し伸べてくれる人はいません」

ミーティングの内容は誰がどんなことを話したか明確にするため、議事録として残します。何も話さない選手に対しては、「テーマに対して自分は何を考えたのか、みんなに伝えなければいけない。"みんなに合わせるよ"といった発言は貢献ではない」と問いかけるそうです。

■上下関係ではなく、一人の人間として向き合いたい

こうした取り組みを始めたきっかけの一つが、海外遠征です。海外の選手はコーチとフランクな関係であることに驚いたと振り返ります。
コミュニケーションの量が日本とは比べ物にならないくらい多く、冗談も飛ばし合う関係性が選手の成長に繋がると考えるようになりました。

「上下関係ではなく、一人の人間として」対話を大事にする流経柏・榎本監督が始めた選手と今まで以上に向き合う新たな取り組み

選手との対話を大事にする榎本監督(C)森田将義

「僕らがもっと選手に寄っていかなければいけない」と話す榎本監督は、こう続けます。「指導者と選手ではなく一人の人間として向き合いたい。卒業生を見ていると、自分より立派な人間はたくさんいる。彼らに対して立派なことばかり言っているけど、自分の方が出来ていないなって思うことがたくさんある。人間力の差に年齢差はない。僕らも学ばせて貰っている。大人と子どもが切磋琢磨しながら成長していけるのが、これからの教育の理想かなと思うんです」

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