元J2得点王、長谷川太郎さんが提案する、現役とセカンドキャリアをつなぐ「1.5キャリア」とは
「みんなで」というのがポイントで、私だけの力ではなく、その選手に関わる各カテゴリーの指導者や保護者、サポーターなど、みんなの力で実現できたらと思っています。
■早寝早起き朝ごはん&サッカー。「朝TRE」が地域の課題を解決する可能性
松田:グラスルーツ賛同パートナー制度では「社会課題の解決」というテーマで『朝TRE(アサトレ)』を実施されていますが、どのような内容なのでしょうか?
長谷川:『朝TRE』は、朝の空いている時間帯の施設を利用して、サッカースクールを実施する活動です。さらに「3つの朝のトレること」として、早起きするために睡眠をしっかりトレる、朝ごはんを食べて栄養をしっかりトレる。そしてサッカーを通じて親子のコミュニケーションがトレる。この3つの「トレる」を目指しています。
朝TREの活動では親子サッカーなどを行っている(写真提供:一般社団法人TRE)
松田:最近の子ども達は寝る時間が遅くなっているという話も聞くので、良い取り組みですね。
長谷川:朝、余裕を持って起きて、しっかりと朝食をとることは、成長のためにとても大切なことだと思います。
早く寝ると、眠くなる時間も早いので、夜の活動が減ります。中学生になったときに夜ふかしをしない、非行に走らなくなるといった側面も期待できます。僕が生まれ育った足立区の課題を、サッカーを通じて解決できるのではないかと考えた中、多くの方々のご理解・ご協力頂き、スタートすることができました。
松田:朝に活動すると、その後の時間を有効に使うことができますよね。大学サッカーは、授業との兼ね合いで、朝の時間帯に練習するチームも増えてきていると聞いています。
長谷川:指導者としても、朝に活動をすることで指導の機会も増えますし、日中はサッカー以外の仕事をすることもできます。夕方の指導だけでは生活が厳しくても、朝と夕方、あるいは朝は指導をして、日中は別の仕事をするパターンもできます。
■サッカーしかしてこなかったから、引退して他の仕事で役に立てず自尊心が......
松田:どうして、その考えに行き着いたのですか?
長谷川:現役引退後に、様々なアルバイトをしたことが大きかったと思います。
それまでサッカーしかしてこなかったので、仕事もできず、人の役に立てていないことを痛感して、自尊心が失われていきました。そんな日々の中で、「人の役に立ちたい」