ドリブルで相手の逆を作る動きが苦手な子どもたち。相手の動きを予想できるようにするお勧めの練習は?
味方を助けるにはどうしたらいいか。
そういったことを少しずつ丁寧に教えます。
■慌てずゆっくり理解させることが大事
先日も、ある県で行った講習会で、4対1を行いました。コーチの方にいろいろな練習を見せたいので、いつも短い時間で区切ってさまざまなメニューをやります。でも、その時は4対1を珍しく時間をかけて子どもたちにやってもらいました。完全にできるようになるために時間をかけたわけではありません。子どもたちの「変化」をコーチの皆さんに見てほしかったのです。
練習を進めていくと、子どもたちの頭の中に少しずつ攻撃のイメージができてきたようで、最後に3対3をしたら、逆サイドで「パス!」と呼ぶ子どもがどんどん増えてきました。
そして、ボール保持者も、自分で一対一で行くよりもパスを選択する変化が見られました。
つまり、子どもたちが変わったのです。見学されていた指導者おひとりが「こうやって時間をかけるんですね」と感想を述べておられました。私の意図が伝わったのだと思います。「慌てずにゆっくりやることが大事」と理解してくださったようでした。
■普段の遊びの中でも「逆を取る」動きを磨くことができる
三つめ。
逆をとる動きを磨くためにできることはほかにもたくさんあります。鬼ごっこなどの遊びでも養われます。
二対一で、わざとドリブルをしてひきつけてからパスをするという動きも同じですね。
低学年の上手な子の多くは相手の逆をとれますが、パスを出せばいいところでパスしません。自分で行ってしまいます。3対2、4対2とか4対3になると次のカバーの子がきますが、その子もかわそうと無理やり自分で行ってしまいます。
そういう子には「いま、相手をかわしたね。次に何をしたいからかわしたの?」と尋ねてあげてください。そして、そのようにごぼう抜きを目指すプレーは「うまいけど賢くはない」ということを教えてあげましょう。
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■「うまいけど賢くない」子が少なくない
(写真は少年サッカーのイメージです。
ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
大人にも、この「うまいけど賢くはない」ということはなかなか理解してもらえません。「池上さんはパスサッカーなんですね?」と言われます。でも、私は「パスしかダメ」とは言ってません。「パスしたほうが簡単でしょ?」ということを伝えたいのです。ひとり抜いても、次の相手(カバー)