子育て情報『元山梨学院サッカー部・長谷川大監督が育成年代で大事にする「再現性」を生む指導とは』

2022年4月7日 18:00

元山梨学院サッカー部・長谷川大監督が育成年代で大事にする「再現性」を生む指導とは

成功しなくなった時には、また新しい事が必要だとヒントを与えてあげれば良い」。

■指導者を始めたばかりの頃はゲームのスイッチボタンを押しているだけだった

2019年度に移った山梨学院高でも大学生に接するのと同じスタンスで指導を行っていましたが、現役時代を過ごし、指導者としてのキャリアを始めた秋田商業高校時代は今とは全く違う指導法だったと言います。

商業高校はその名の通り、接客業を始めとしたビジネスに必要な知識やマナーを身に付ける高校です。「商業は人作り。お客さんは神様という発想で耐性と言いますか、お客さんに理不尽な事を言われても、我慢する力を身に付けるのが商業高校の強みと教わっていた。だから、先生の言う事は絶対だし、周りから言われる事も絶対に守らなければいけない」(長谷川さん)。

そうした考えは、サッカー部の指導でも変わりません。今でこそ伝統だった坊主頭を廃止し、髪を伸ばし始めるなど時代に合った指導が行われていますが、長谷川さんが監督だった時代は「社会よりも厳しい状況をあえて作り出し、社会に出た時に厳しいと思わせないようにしたいと考えていました」。
また、コーチから監督になったのは30歳になる直前で選手の育成以上に、どうすれば勝てるのかを主に模索していました。

「今にして思うと、若い頃はゲームのスイッチボタンを押しているだけだった。指導者がボタンを押せば、言われた所にボールを蹴って、諦めずに走りなさいというだけだった。選手には誰でも良いと言っているのと等しいくらい同じことを求めていました。そうしたマインドの指導者は、『アイツは使えない』なんて言葉が自然に出てくる。使えないというのは、自分が思っている通りに動かないから。『アイツは使える』というのは良い選手ではなく、自分が意図したプレーをひたすらやってくれるから」。

■教育としてサッカーを教えるなら、自分で考える土壌を作らなければいけない

元山梨学院サッカー部・長谷川大監督が育成年代で大事にする「再現性」を生む指導とは


2020年の高校サッカー選手権では山梨学院高校を率いて優勝を手にした長谷川監督(写真右)

当時の厳しい指導は、高校を出て就職する選手も多いチームならではで、社会に出る選手の将来を思ってのもの。
今とは時代背景も違うため、長谷川さんの指導は決して間違っていたとは言えません。

ですが、母校を離れて指導者として様々なキャリアを積むうちに考え方に変化が生まれました。

「使える選手を育てるのは、仕事として監督に使われるプロになってからでも良い。

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