仲間との協力プレーは大事だけど、ドリブルなど個のスキルも不可欠だと思う。U-8年代の指導は何に注力すべきか教えて
ひとりで勝手にプレーしては、サッカーではなくなってしまいます。いかにして味方と協力するか、そんなことを楽しむスポーツです。私は子どもたちがサッカーをするのに、そこから入らないとおかしいと考えます。ところが、日本は、足元の技術が上手くならないと試合にならないと、大人たちが信じ込んでいます」
そんな話から始まります。
■子どもたちがパスを出そうとし始めたことに親が驚く
参加されている親御さんのなかには、ご自分もサッカーを教えられている方もいらっしゃいます。お父さんコーチと呼ばれる、日本のサッカーを支えている人たちです。
彼らの前で、一日目の午後2時間と二日目の午前2時間の指導で子どもたちの姿が変わっていくのがわかります。つまり、ひとり一人がドリブルをするのではなく、味方と協力するサッカーになっていくわけです。
見ておられた親御さんたちの一番の驚きは、子どもたちがパスを出す味方を探そうとし始めたことでした。そうなると、パスを受けられる最適なポジションを探します。ボールに集まるのではなく、広がり始める。そうすると非常にサッカーらしくなります。
参加者の中心は3、4年生でしたが「1年生からこんな指導を受けられたら、3年生になったらどんなふうになるのか楽しみ」という声もありました。
■日本の子どもはドリブルばかり使う
では、私がどんな指導をしたのか。
まず初めに、子どもたちにこう話します。
「サッカー楽しむために、何が一番大事かな?」
子どもたちは「シュートが入る!」と言います。
「そうやな。パスをして前に進んでいくことが大事だね」
そこから、いいポジションにいる味方を探してパスすることを勧めます。そうやってシュートが入ると、子どもたちはとても喜びます。誰かひとりがドリブルをして相手を抜いてゴールしたときよりも、明らかに嬉しそうです。
キャンプ2日目。2対1でワンツーをするトレーニングをしました。
ワンツーが成功すると、自分で抜く必要がなくなります。誰かを使って、自分がフリーになれる。
そうすると、難しくないサッカーになります。
世界のトップリーグの試合は、すべてそうなっています。どうして日本の子どもだけドリブルばかり使うのでしょうか。
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■「止める・蹴る」ができてから「判断」を教える日本の指導は欧州と真逆
この連載でもすでに何度かお伝えしているように、小学生に対する日本の育成は、指導の順番が「行動→判断→認知」