話を聞かない、落ち着きがないU-10年代の指導、チームをまとめる方法はある?
監督・コーチの話を聞かない、練習の並び順でケンカ、行動が遅い......。U-10年代の指導の指導はどうすればいい?
池上正さんの書籍を読んで実践しているけど、うまくいかない。という悩みをいただきました。この連載を読んでいる方の中にも、同じような経験を持つ方がいるのでは。
今回も、ジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、話をじっと聞いていられないU-10年代の指導の指導のコツを伝授します。
(取材・文島沢優子)
池上正さんの指導を動画で見る>>
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
<<上手い子、そうでない子が混在するチーム。どっちにも楽しんでほしいからレベルでグループ分けしたいが、注意点は?
<お父さんコーチからの質問>
こんにちは。
田舎の少年団で指導をしている者です。担当はU-10です。
池上さんの書籍「伸ばしたいなら離れなさい」を読ませて頂き実践しているのですが、子どもたちが話を聞きません。
行動が遅い、待ち時間の並び順でケンカばかりする、など、なかなか上手くいきません。
池上さんの本が発売されたころとは教育、家庭でのしつけなども変わっているので子どもたちの気質なんかも変わってきているというのはあると思うのですが、(過保護なご家庭が多いと感じます......)この年代のチームがまとまる良い方法はないでしょうか?
<池上さんからのアドバイス>
ご相談ありがとうございます。
先日、首都圏のある自治体で、教員の方々に「これからのスポーツを考える」というタイトルでお話しさせていただきました。そのなかで、子どもたちが主体的対話的深い学びが必要だと言われているけれど、授業でその時間をつくっていないという話が出ました。
■子どもが輪に入れないとき、大人の方が焦って世話を焼いていないか
午前中、ひとつの学校で6年生に指導した際、みんなの活動に入っていけない子どもがいましたが、私は最後まで声をかけませんでした。
指導の後で、担任の先生から「あの子には声をかけないのですか?」と尋ねられました。私は、ほかの子どもたちの行動を待っていたのです。その子が交わらない最初の10分は、他の子どもたちは何もしませんでした。