暴言で受けた脳ダメージはリカバリーできる! 傷ついた子どもに親ができること&すべきこと
ことが海馬の萎縮を回避する方法であることはもちろんですが、それ以外にも海馬の萎縮を予防する日常生活のポイントは多数あります。
・運動をする(有酸素運動がベスト)
・睡眠時間を確保する
・アルコールの過剰摂取を避ける
・日頃から会話をする
・趣味を持つ
中でも瀧先生がおすすめするのは「運動」と「会話」です。運動をすると気持ちがすっきりするのは、海馬と密接な関係にある「扁桃体」の過活動が抑えられて不安が消滅するからであり、それは海馬が与える影響と同じものです。鬱状態にある人に運動が効くのも全く同じ原理です。
そのため、日頃から適度な運動をしている人の海馬は萎縮しにくく、感情コントロールもしやすくなるとか。
「まとまった時間が取れないなら、日常の移動を早歩きにするだけでも変わります」とのことでした。
また、会話は最も効果的なストレスリリース法とも言えます。気持ちを言葉にして整理できること、大切な人と理解し合えることによる効果は脳科学的にも実証されているからだそうです。
■親もストレスを抱えすぎないことが、朗らかな日々を過ごすカギ
子どもの心を暴言やハラスメントから守るための具体的なアドバイスを多数いただきました。脳科学的な観点からの対策は説得力があります。
そして、はからずして親が子どもにストレスを与えすぎないためにも、子どもだけでなく親の「海馬」への意識が必要なこともわかりました。
どれも今日からすぐにできそうなことばかり。ぜひ意識してみてください。
瀧 靖之(たき やすゆき)教授
東北大学 スマート・エイジング学際重点研究センターセンター長および加齢医学研究所 臨床加齢医学研究分野 教授。医師。医学博士。
東北大学医学部卒業、東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。脳のMRI画像を用いたデータベースを作成し、脳の発達や加齢のメカニズムを明らかにする研究者として活躍。読影や解析をした脳のMRI画像は、これまでに16万人に上る。10万部を超えたベストセラー『生涯健康脳』(ソレイユ出版)、『回想脳脳が健康でいられる大切な習慣』(青春出版社)など著書多数。
東北大学スマート・エイジング・カレッジ
https://www.sairct.idac.tohoku.ac.jp/prof-yasuyuki-taki/
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