わが子の良いところを見つけられない、という保護者におすすめの方法は「ほかの子の良いところを褒める」こと その理由とは
そして、以前スクールで対応したエピソードを教えてくれました。
スクール活動中、ピッチサイドから子どもにダメ出しをするお父さんがいたそうで、練習中ずっと「もっと下がらなきゃダメだろう」「もっと上がらないと」「もっと守備を~」など、大声で叫び、子どももお父さんの声を聞き、緊張した面持ちでプレーしていたそうです。
その際コーチがとった対応は、保護者に「止めてください」と注意するのではなく、挨拶し少し会話をしたあと「お子さんの良いところってどこですか?」と語りかけること。
相手は唐突な質問に戸惑ったそうですが、「家では下の子に優しいんです」「食後に食器の片付けもしてくれたり、いい子なんですよ」など、うれしそうな表情で我が子の良いところがどんどん口をついて出てきたそうです。
そのタイミングで「ではプレー中もたくさん良いところがあるので同じように伝えてあげてください」と冗談っぽくお伝えしたら、相手の方にも意図がやんわりと伝わったのか「言い方がよくなかったのかな」と反省されたようで、その日以降ピッチサイドからダメ出しをすることはなくなったのだそう。
直接的な言葉で伝えると、相手が機嫌を損ねたり態度を硬化させることもあります。一方、我が子のいいところをコーチも認めてくれると親も嬉しくなりますよね。保護者と指導者の関係性をよくすることも、子どもたちを守ることにつながるとコーチは教えてくれました。
これを聞いて、サイトウさんも「なるほど。そういったアプローチがあるんですね」と納得の表情を見せていました。
■どうしても我が子の良いところをを見つけられない人は......
親御さんたち自身、褒められて育った人が少ない年代ということもあり、人を褒めること自体に苦手意識を持っていたり、自分の子を褒めるのが恥ずかしいとか、くすぐったい感覚を持つ人もいますよね。
わが子の欠点や良くないところばかり目についてしまう、どこを褒めたら良いの?と悩んでしまう方も多いもの。
そんな方へのアドバイスとして柏瀬コーチは、「他の子を褒めてみる」というアプローチがあると言います。これはもちろん、他の子と自分の子どもを比較するということではありません。
自分の子どもばかりに目を向けるのではなくほかの子の良いところに目を向けてみましょう,、という意味です。さらに自分の子には言えなかった「ナイスプレー」