子育て情報『『英語リスニング力の発達 ―日本人小学生を対象に活用するテクノロジー2種を比較して―』の記事をホームページ上にて公開』

『英語リスニング力の発達 ―日本人小学生を対象に活用するテクノロジー2種を比較して―』の記事をホームページ上にて公開

、「空港」、「裏庭でバーベキュー」という5種類の場面設定でレッスン(各30分間)が5回実施され、最後の8週目にリスニング力を評価する事後テストと追加の質問票調査が行われました。

■研究結果
1) リスニング力に対する全体的な効果
全サンプルのリスニングテスト平均得点は、全グループにおいても各グループにおいても、事前テストから事後テストにかけて向上が見られました。全体の得点を算出したところ、リスニングテストの得点には有意な時間効果(事前テスト→事後テストという時間経過による変化)が示されました。

『英語リスニング力の発達 ―日本人小学生を対象に活用するテクノロジー2種を比較して―』の記事をホームページ上にて公開

リスニングテストの結果

2) 指導環境(VR/Zoom)と指導経験の違いによる比較
全体的なスコアにおいては、VR群のほうが事後テストでより高いスコアを獲得したことが示されました。しかし、一対比較においては、経験豊富な教師がZoomを用いて指導することが最も重要な因子であることが示されました。指導初心者が教えたグループは、統計的に有意ではありませんでしたが、事前テストと事後テストの差によりスコアの向上が示されました。

3) 英語学習に対する態度
レッスン終了後の質問票調査によると、全体的にZoom群はVR群よりも今回の学習体験を高く評価しています。
また、圧倒的多数(99%)の子どもたちが、VRやZoomを活用したレッスンに参加した結果、教室環境の外に出て実際の状況・場面で英語を使うことに強い関心を示しました。

レッスンの楽しさについては、経験豊富な教師からVRを活用して学んだグループの生徒たちが全員一致で「楽しい」(4点満点中4点)と評価し、エンゲージメントの高さが示されました。

■考察
先行研究では、没入感が外国語学習において有効な役割を果たすことが確認されています(Tai & Chen, 2021)。しかしながら、本研究では、没入感を特質とするVRプラットフォームのほうが没入感のないテクノロジーよりも学習者に役立つ、という仮説は確認されませんでした。
参加者全体に見られたリスニングテストのスコア向上は、VRの没入感から影響を受けたというよりも、レッスンの話題についての知識が貢献した可能性があります。生徒たちは、特定の話題に基づいたレッスンを受け、同じ状況・場面(例:ショッピングセンター、動物園など)を用いた出題内容のテストを受けました。これにより、話題に関連したことばを手がかりにしながらテストを受けることができ、全体的なスコア向上が見られたと考えられます。

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