パーキンソン病と闘う「水どう」歌手・樋口了一「すべてはハッピーエンドのための通過点」
―演じるうえで、同じ病を抱える主人公に共感する部分もあったのではないでしょうか。
樋口さんそれはありましたね。ただ、病気を宣告されて怒りに任せていろんなものを壊していく彼のような反応は僕にはなくて、自分はわりと淡々と受け止めることができたので、そこは違ったかなと。でも、治療法のない難病なので、将来のことを考えて落ち込むことは僕にもあるのでわかる部分はありました。
―ということは、役づくりに関しては技術的な難しさはあっても、感情的にはすんなりとは入れたと。
樋口さんそうですね。劇中に何もかも失ってビルの屋上で泣くシーンがありましたが、そこも気持ちがわかるので、家族も友達も全部奪われた子どものような感じで演じました。
病気に蓋をせず、個性として扱ってほしい
―今回はセリフ以外にもダンスを覚えるのが大変だったと思いますが、これまでにダンスのご経験は?
樋口さん小学校のときに踊ったフォークダンスの「オクラホマ・ミクサー」以来ですよ(笑)。
今回は、撮影の約2か月前から先生に振りを教えてもらいながらロックダンスを練習しました。覚えるのが大変なのはもちろんですが、全然かっこよくならなくて…。