「こんな瞬間を待ってたの!」と叫びたくなる、究極の男女愛を描いた名画たち
(Photo by メトロポリタン美術館)
フランスの画家、ジャン=レオン・ジェロームの描いた『ピュグマリオンとガラテア』という絵があります。
接吻をしている男女の絵なのですが、この絵を見ていると、ため息とともに甘美な印象が体中をかけめぐります。
ピュグマリオンというのは、ギリシア神話に出てくるキプロス島の王のこと。
人間の女性には見向きもせずに、理想の女性・ガラテアを大理石の像に掘り上げた人物です。
その像が生命を授かり彼の妻となるのですが、ジェロームが描いたのが、2人の接吻の瞬間なのです。
ガラテアの足の部分はまだ大理石ですが、上半身は人間になっていて、ピュグマリオンの接吻に応えるかのように腕をまわしてい
ます。
女性なら憧れるシチュエーションを表現
この絵の中で良いのは、ピュグマリオンの顔。
ガラテアの後頭部に隠れて見えにくいですが、恍惚の表情を浮かべています。
理想の女性を手に入れた無垢な少年のように、彼女を仰ぎ見ながらその体を無我夢中で抱きしめている、といった感じです。
こういう瞬間って、誰でも憧れますよね。
キスによって生命が覚醒するなんて、ロマンチックで官能的です。