接客も監視カメラも一切なし。あえて“相手にしない”ことでお客さんと信頼関係を築く「値段のない無人パン屋」
最近、国王が約半世紀ぶりに来日し日本との関係強化も期待されているサウジアラビア。そんなサウジアラビアの主要都市の1つでありイスラム教の聖地としても知られるメッカに、無人販売スタイルで、どこかユニークなパン屋が存在する。その名も『The Honesty Bakery(正直なパン屋)』。店内にスタッフは一人もいないし、カメラや監視員のような人も配置していないし、パンを製造しているスタッフとお客さんのコミュニケーションも一切ない。そこにあるのは「パン」と「Trust box(信頼の箱)」と呼ばれるレジ代わりの集金箱のみ。The Honesty Bakeryのオーナー、ガジ・ハッサン・タス(Ghazi Hassan Tass)氏によると、多くの人が忘れてしまった「人を信じること」で、パン屋を運営し、貧困を救い、利益も出しているのだとか。
Photo by Eric Kornblum
先述したように、店内にはTrust boxと呼ばれる集金箱のみが置かれ、お客さんに信頼されるために丁寧な接客をしたり、監視カメラやセキュリティを設置し万引きなどを常に疑ったりしない。なぜなら、まずお店側がお客さんを信用することを意思表示することで、お客さんの信用を得られると考えているからだ。