#001 「なんで複数の人と恋人関係になっちゃいけないの?」28歳の彼女が“社会の理不尽な恋愛ルール”に物申す。| “社会の普通”に馴染めない人のための『REINAの哲学の部屋』
相手のすべてを奪って自己のものにしようとし、主体性や自由、地位や名誉を投げうってまで相手と生きんとする力でもあります。そんな深いエネルギー、複数に与えられるのかなあ。他の誰かを蹴落としてもこの人だけはなにがあっても守りたい。一人だけ救ってやるって神様に言われたら、まじお願いだからこいつにしてくれ! と言わざるをえない。極端だけど、セックスできるとか相手に尽くしたいとかではなく、この願望を基準に考えるとどうでしょうか。選べなかったら、誰のこともたいして愛していない気さえします。誰と生きたいのか? 死にたいのか? 誰を助けたいのか? 思考実験みたいでなんか申し訳ないけれど、究極の選択を迫られたときに「この人だ!」と決断できる、その絶対的な自信が愛の本質である気がしています。
田代 伶奈
ベルリン生まれ東京育ち。
上智大学哲学研究科博士前期課程修了。「社会に生きる哲学」を目指し、研究の傍ら「哲学対話」の実践に関わるように。10月から自由大学で「過去に向き合うための哲学」を開講。Be inspired!ライター。哲学メディアnebulaを運営。Twitter: https://twitter.com/reina_tashiro
All photos by Noemi MinamiText by Reina TashiroーBe inspired!