3作目:「未成年で親に売られる少女たち」を救うため、“違法ラップ”で「古きしきたり」と闘う16歳の少女。|GOOD CINEMA PICKS
兄が結婚するための資金を稼ぐために、母親が自分を“売ろう”としていると知ってしまったらあなたはどうするだろうか?
映画には人を変える力がある。これまで知らなかった世界に連れて行ってくれる。ストーリーを通してこれまで出会ったことのない価値観に感化される。今まで見たことのない美しい景色に心動かされる。映画には無限の可能性がある。社会問題に焦点を当てた映画を紹介する『GOOD CINEMA PICKS』で今回は、母親に100万円ぐらいで売られるところをやっとの思いで逃げ、ラッパーになる夢を追い続けているある少女を追ったドキュメンタリー『ソニータ』をPICK。
実の母親によって売り出された花嫁、ソニータ。
命をかけたラップ。
ソニータの壮絶な人生が現実に起こっていることだと信じるのには時間がかかるかもしれない。テロリストに目の前で家族が殺され、実の母親に売られそうになり、それでも平等を訴えるために国が禁止するラッパーとしての活動を貫き通す彼女の勇気と正義感は並大抵のものではない。アフガニスタン独立人権委員会によると、正確な統計を取ることは難しいものの18未満の約半数の女性が結婚すると言われ、60〜80%が親が決めた相手と強制的に結婚させられている。