56杯目:シェフ全員がHIV陽性。「食事ではHIVは感染しないこと」を訴えるためのレストランがカナダでオープン。#smashstigma|「丼」じゃなくて「#」で読み解く、現代社会
日本では毎年1500人前後の新たなHIV感染者が出ている。その感染者数の2/3は東京都で確認されているという。これは驚くべき数ではないだろうか。HIV/エイズ*1が世界的に問題となってから30年経った現在でも、恥ずべきことに人々の間に十分な知識があるとはいえず、HIV感染者は偏見の目で見られることも少なくない。そこで毎年約2500人が新たにHIVに感染しているというカナダでは、「HIVに感染した(HIV陽性の)シェフの作った料理を出されたら食べますか?」というインターネット調査が行われた。実施したカナダのHIV・エイズ患者のケアセンター「Casey House」(ケイシーハウス)によると、「食べる」と回答したのは1633人のうち、わずか半数。そんな危機感な現状に対して何かできないかと考えたケイシーハウスは、とあるレストランの計画にたどり着く。
(*1)HIVは「ヒト免疫不全ウイルス」と呼ばれる。
また、エイズはHIVによって引き起こされる病気の総称。
「HIVは食事で感染しない、ということを伝えなきゃいけないと思った」と、ケイシーハウス代表のジョアンナ・サイモンは言う。「素晴らしい食べ物を作りだす情熱」