くらし情報『「同情するなら、演劇を教えておくれ」。ホームレスの自尊心を取り戻す「英国ダンボール劇団」とは。』

「同情するなら、演劇を教えておくれ」。ホームレスの自尊心を取り戻す「英国ダンボール劇団」とは。

「俺たちに価値がある、俺たちは透明人間じゃない、俺たちにも“声”があるって感じさせてくれた」。これは一人のホームレス役者が英国で25年以上続いているホームレス劇団『Cardboard Citizens』について語った言葉だ。“ダンボール市民劇団”と訳されるこの団体は演劇やワークショップ、ホームレスの子どものためのプログラム『ACT NOW』の運営を行い、帰る場所のない人々に居場所を与え続けている。女優ケイト・ウィンスレットやロリー・キニアなど一流俳優たちがアンバサダーを務め、社会のなかで透明となってしまったホームレスの“声”を劇場を超えて人々に届けている。社会から何らかの理由でこぼれ落ちてしまい、衣食住の確保も精一杯な人々が「本当に必要としているもの」をCardboard Citizensは知っているのかもしれない。

目次

・社会復帰への大きな見えない壁
・他の人の力になりたい


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Photo by Firdausie Taniya Kamal

社会復帰への大きな見えない壁

ホームレスが困難するのは、「服がない」「食べれない」「家がない」という物理的な問題だけではない。社会のなかで人々に対等に扱われず、“透明人間”となり「自尊心が持てない」ことがホームレスの大きな傷となり、彼らの社会復帰を妨げているとCardboard Citizenのメンバーは話す。

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