コオロギ70匹を練り込んだ「昆虫パン」がフィンランドで新発売。今、現代人が虫を食べるべき理由とは。
先日、コオロギをふんだんに使ったパンがフィンランドで発売された。「虫が入ったパンなんて絶対に食べたくない」と嘆く人もいるかもしれない。なかには、見たくもないとか、思わず拒絶反応を示してしまう人は多いだろう。そもそも「虫を食べる文化」がない人々にとっては、まず虫を食べようという発想すら浮かばないものである。でもそれ以前に今、なぜ虫を食べる必要があるのだろう?そのストーリーを知れば、あなたの固定観念が少しだけ揺らぐかもしれない。

「虫は有益な食材になり得る」と国連機関が決めたワケ
実は「虫を食べる」という行為は各国で古くからある慣習。今後それが私たちの日常食になるとして、近年世界的に注目されている。2050年、地球で暮らす人口は90億人を超えるとされ、人類は食糧危機を迎えるといわれている。
食糧危機を引き起こす数多くの要因のうち、人口増加、気候変動がもたらす異常気象による農作物の不作などがあるが、その解決策の一つとして国連食糧農業機関(FAO)が2013年に昆虫食を「有益な食材になり得る」と推奨したことをきっかけに、世界的に見直されることになった。今年5月スイスでは法律が改正され、特定の虫を食用として販売することが認められたほか、2018年1月よりEUでは昆虫の取引が自由化されるという。