学校の400m圏内にファストフード禁止。ロンドン市長が決断した、肥満と戦うための大胆かつ手荒な手段
子どもの頃の楽しかった記憶を思い返してみてほしい。あなたの思い出のなかに、ハンバーガーやフライドポテト、アイスクリーム、ドーナツ、フライドチキンなどの、ファストフードが登場するワンシーンはあるだろうか。もちろん全くない人もいるだろうが、現在この悪しき食習慣「ファストフード」は、日本を含む世界中に染み付き、小児肥満と呼ばれる未成年の肥満を急増させているという。その代表的な都市である英国ロンドンの市長が、ファストフードという小児肥満のタネから子どもたちを守るためにとった、“攻めた行動”が話題になっている。

Photo by Gerard Stolk
世界人口の3人に1人が太りすぎ。今後は肥満が標準体型になる?
実は、今年の医学誌「New England Journal of Medicine」で発表された調査の結果によると、今世界で1/3に相当する22億人が太りすぎで、10人に1人が肥満だという。2015年には、太りすぎが原因で、400万人もの人々が命を落としているほど。特に問題視されている小児肥満は、将来的に太りやすい体質を招くばかりではなく、心臓病や糖尿病、がんなどの深刻な病気になってしまうリスクを高めると懸念されている。